生徒会規約を作った生徒会役員ら。生徒手帳を手に

 2010年に開校した中高一貫校。1期生である現5年生(高校2年生に相当)が後期課程(高校の学年)に進学した昨年度は、生徒会の会則(規約)がなかった。「自分たちで作ったら」。顧問の先生に持ち掛けられて、生徒会役員ら5人の生徒が会則を作り上げた。
 作業を始めたのは昨年秋。「生徒に任せてくれることにわくわくしました」(生徒会長・福島あかりさん)。まず、前身の南多摩高校や、ほかの中等教育学校の生徒手帳を集めて、分担して規約を読んだ上で、ゼロから文面を作った。
 特にこだわったことの一つが部活の規定だ。部活の新設を希望する生徒もいるが、手続きが決まっていなかった。「規定があれば、迷わなくて済む」(清水悠平君)。5人で話し合い、仮同好会から同好会を経て部に昇格するまでの手続きを定めた。部の上限を22とし、部活の監査や廃部の要件も決めた。
 文面をめぐって意見が分かれることもしばしばあった。校内で集まれる時間ではとても足りず、連日、帰宅後や休日にインターネットの文書共有ソフトの画面を見ながら、スカイプ(テレビ電話)で1条ごとに念入りに話し合った。「みんなの意見が違って当たり前。推敲(すいこう)する作業は大変だったけど楽しかった」(清水悠歩君)
 途中、生徒向けの説明会を開くと、みんな集中して聞いてくれた。先生の会議も無事通って、今春、完成。規約の入った生徒手帳が全校生徒に配られた。規定に基づき、同好会をつくりたいという希望が生徒から出始めている。
(西健太郎)