小中高生が開発したスマートフォンアプリの独創性や技術力を競う「アプリ甲子園2015」の決勝大会が10月25日、東京で開催された。ゲームからメモアプリまで、日常の気付きをきっかけにした、アイデア満載の10作品が出そろった。
(堤紘子)

応募1334作品から決勝に残ったファイナリストたちは、アプリの特長や工夫を発表。IT企業の社長ら5人が企画力や操作性などを審査し、採点した。

作り出す喜び感じて

大渕雄生君(東京・開成高校1年)はシューティングゲーム「DAN MAKER」を制作した。敵や障害物の数、種類を選び、ユーザーが独自のステージを作ることができる。審査では「ゲームを作るアプリ」という独創性が高く評価された。プログラミングの勉強を始めたのは8月。9月の文化祭で来場者にアプリを体験してもらい「(ユーザーは)自分で作ることに喜びを感じる」と確信したという。

不便さを解消し改良

中山晶平君(東京・早稲田大学高等学院2年)はメモアプリ「Put On」を開発した。画面を切り替えずに起動できる点が特長だ。メモを透けさせて下の画面が見えるようにするなど、便利に使えるための改善を重ねた。審査ではユーザーの需要の高さを示す「消費者支持度」が高く評価された。

「世界中の人に遊んでほしい」

太田一毅君(東京・私立武蔵高校1年)の「BrickWars」は、2人が盤面の陣地を取り合うゲームだ。太田君は「できるだけ言語を使わないデザインにしました」と工夫をアピール。アプリはすでに公開されており「世界中のたくさんの人に遊んでほしい」と目を輝かせた。

色に注目した新ゲーム

藤井達哉君(福岡・筑紫丘高校2年)の「KAKUREMI」は、江戸時代を舞台に、忍者の色を変え、敵から姿を隠すゲームだ。「新しいゲームを作りたいと考え、『色』に注目しました」と開発のきっかけを話した。

「2次元と会話」を実現

「現実世界でアニメキャラと話せないのが悩み」と語る荒巻美南海さん(千葉・渋谷教育学園幕張高校1年)は、ユーザーがキーワードと返答を登録してキャラクターを作り、疑似的な会話ができる「妄想ちゃっと。」を開発した。SNSで憧れの存在と会話をしている感覚が楽しめる。「返答の速度を変えたり、既読機能をつけたりすることで、リアリティーを出せた」と自信を見せた。

 決勝大会は高校生が多く参加する中、食物アレルギーを多言語で伝えられる「allergy」を開発した小学6年生が優勝した。ほかに、スマホを操作せずにスヌーズを設定できる目覚ましアプリなど、日常で役立つアプリなどが披露された。