全国高校総合体育大会(インターハイ)登山競技男子団体で昨年、北海道勢として37年ぶりに入賞した札幌北高校が、近年の著しい躍進ぶりで注目を集めている。現部員は4人と少数精鋭だが、3年前に全国大会に進出、一昨年12位、昨年5位とステップアップした勢いを引き継ごうと、日々練習を重ねている。

競技は歩行技術や体力(タイム)を競うだけでなく、テント設営・炊事などの生活技術、天気図作成、救急医療などの知識、マナーまで採点される。大会では4日間をテントで過ごし、自然とも戦う。「1日中競技なので気を抜けるタイミングが全くなく大変ですけど、山頂に着いた時の達成感や爽快感はすごくあります」と、主将の山本巧君(3年)は魅力を話す。

北海道屈指の進学校でもある札幌北は、筆記試験で先行し、逃げ切るのが必勝パターン。さらに「天気が悪くなるとウチは有利。他校のパーティーは集中力を欠いてくるのですが、ウチはそんな中でも集中して力を出せる」と、顧問の菅原健夫先生は強みを話す。

 

さまざまな工夫で体力が向上したことも大きい。冬はスノーシューを履いて雪の上を歩き、夏は暑さ対策に3、4枚着込んで練習。校舎の外階段では、腰を落として1時間近く、あえてゆっくり昇り降りする独自の練習を積む。練習登山は、自宅から公共交通機関だけを利用して移動。登山口までの道のりもプランニングを含めたトレーニングになる。中学で運動部経験のなかった石谷直貴君(2年)は、「1年経ってかなり体力が付いた。ウチの学校は、文武両道で頑張っています」と胸を張った。

1年生の神谷俊太郎君、茂田空君は「予想以上にトレーニングはつらかったですけど、もっと技術や知識を深めて、全国で優勝したい」と意気込む。大会経験豊富な山本君は「この競技は努力次第で上位に行けるんです」と、列の先頭に立って後輩たちを引っ張っている。(文・写真 岡崎敏)