フィリピンでは、田植え体験をしたり、現地の子どもたちと交流したりした(写真は学校提供)

三国丘高校(大阪)の2年生40人は6班に分かれて、開発途上国の貧しい人々の生活改善に役立つビジネスプランの作成に取り組んできた。2月6日、これまでの成果を報告する校内発表会に臨んだ。

フィリピンで現状を知る

年8月には、19人がフィリピンでフィールドワークをした。アジア最大のごみ山で貧困の現実を目にするとともに、国際機関や大学、企業、農家などへの訪問を通じて、利益を上げながら社会問題を解決するソーシャルビジネスへの理解を深めた。

 発表会の審査で最優秀賞に選ばれた班は、松下将大君ら6人。フィリピンで小規模農家の人々の貧困を目の当たりにし、収入向上を支援しようと、現地特産のバナナやココナツを使ったアイスクリームを販売するビジネスを考えた。

 より現実的なプランを策定するため、売上高や、人件費などの経費を細かく計算し、アンケートや商品のアイス作りにも挑戦した。「収支を合わせられるよう 時間をかけて話し合う過程で、世の中の仕組みやお金の流れが見えてきた」(松下君)と喜びを分かち合った。

 6班は、全国の高校生を対象とするビジネスプランコンテスト「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)に応募。通信教育を通じてフィリピン人の日本での就労をサポートするビジネスを考えた班は、応募2333件のトップ10に入った。メンバーの河本咲実さんは「フィリピンの路上で物売りの子どもを見たのがきっかけ。仕事に直接つながる教育が重要と感じ、日本の労働 人口不足と合わせて解決できるプランを考えた」と話した。

(新海美保)

 

■2014年からSGH指定。普通科と文理学科の280人が「持続可能な地域開発」をテーマに研究。大学や米国、フィリピンなどでもアクションプランを発表する。