東京・大妻高校バトントワリング部は、全国大会の常連だ。日常生活の姿勢が演技に表れると考え、日頃の言葉遣いや所作においても「美しさ」にこだわる。学校の名を背負って出場することへの誇りと責任感を持って全国高校総合文化祭に臨む。
(文・野口涼、写真・幡原裕治) 

礼儀を大切に

全国総文祭出場は1996年の初出場以来18度目。今年もパレードと、マーチングバンド・バトントワリング部門に出場する。質の高いボディーワークが特徴だ。岸野真帆さん(3年)は「バトンに集中すると、つい手足がおろそかになってしまう。どちらも美しく見えるように練習を重ねています」と話す。

「チームの雰囲気がいい時は、演技中にみんなの気持ちが一つになっているのが分かります」と、部長の大道彩果さん(3年)。「節度や礼儀を大切にしつつ、自分たちから後輩に積極的に声を掛け、仲良く楽しめる雰囲気もつくろうと心掛けています」

バレエレッスンも

部員は皆、背筋をすっと伸ばし、美しい敬語を使って話す。「バトントワリング部に入ったことで、目上の方に対する態度や言葉遣いなどを学ぶことができました。後輩たちにも伝えていかなければ」と大道さんは言う。「普段の生活を正すことで、バトンの技術以外の美しさが演技にも表れると考えています」

同部の目標は、昨年に続きグッドパレード賞を取ること。そしてバトントワリング部門で納得のいく演技を披露することだ。

パレードの最大の見どころは、フープバトンを華麗にさばきながら、しっかり踊りこむ点だ。同部では、練習にバレエのレッスンを取り入れており、バトンのトスを上げる場面においても、しっかり頭を上げて指先まで美しく演技する。

大道さんは「大妻という名前を背負って出場する以上は、誰が見ても一番奇麗だと感じる演技がしたい」と、静かな闘志を燃やす。

 部活データ  1979年創部。部員22人(3年生3人、2年生5人、1年生14人)。練習は週6日。部のモットーは「あいさつ、集中、笑顔」。