唯一の女子部員として練習に励む岡本佳子(かこ)=福岡・企き救く中出身。全日本女子オープン(中学生の部)で優勝した経験を持つ、女子レスリング界注目の成長株だが、昨年大けがをした。将来の五輪出場を目指してリハビリに励む。(文 吉永恵子)

昨年4月に開催されたジュニアクイーンズカップで左足のじん帯を損傷し、脚のけんを移植する手術を行った。高校入学をまたぎ、現在までリハビリを続けている。

「自分の足で歩くところから始めました。練習できないのはつらかったけれど、まずは治さないと始まらない」と、苦しい経験も岡本は笑顔で語る。夢はオリンピックで優勝すること。今は10月の全日本女子オープンでの復帰を目指してリハビリとトレーニングを続けている。

岡本がレスリングを始めたのは5歳の時。先にレスリングをしていた兄たちを追いかけ、地元の北九州レスリングクラブに通い始めた。中学でメキメキと頭角を現し、鳥栖工業へ進学。2番目の兄を鹿島実業(佐賀)で育てた小柴健二監督が赴任していたからだ。

階級は48㌔級。キレのある動きで相手を翻弄する。得意技は片足でのタックル。「力で勝負しても勝てない」と、男子にも通用する「技」に磨きをかけている。小柴監督は「真面目に練習をこなしている。焦らず高校3年間で結果を出して、その上につなげたい」と目を細める。夏休みは遠征と合宿の日々。秋の復帰戦に向けて練習は続いている。