台湾からの留学生(右端)の話に聞き入る生徒たち

浦和第一女子高校(埼玉)は、SGHの一環として「台湾リサーチプロジェクト」に取り組んでいる。台北の女子高校と姉妹校になったのが縁で、今年12月の修学旅行先を従来の国内から台湾に変更。事前に台湾について学び、現地での理解を深めるのが狙いだ。

留学生と英語で議論

6月18日、同校で「Cross Cultural Talk[台湾版]」と名付けたディスカッションが行われた。参加したのは、2年生の希望者35人と、日本に留学中の台湾の大学生男女8人。生徒3〜5人に留学生1人というグループに分かれ、台湾と日本の「教育」「女性問題」「若者文化」などを約2時間半にわたって話し合った。会話は英語が基本。留学生側が時おり日本語で言葉を補う場面もあり、なごやかに意見交換が行われた。

最後の全体会で、各グループのリーダーが驚いたこと、印象に残った事柄を英語で発表。複数出たのが結婚と仕事の問題だ。「日本より台湾の方が、結婚しても働く女性の割合が高いと思う」という留学生の指摘に、生徒たちは「なぜ?」と聞き返す。

「台湾はベビーシッターが多いし、祖父母が孫の面倒をよくみてくれる。夫婦間の家事分担も定着している」という答えに、リーダーを務めた水間綺さんは「日本ももっと見習えばいいのに」と感想を述べた。

同校は夏休み中に、少人数の2年生が現地でフィールドワークをする企画も実施する。

(文・写真 木部一成)

2016年にSGH指定。「未来のための『女性学』探究プロジェクト」が研究テーマ。女性に関する世界のさまざまな課題を学び、自分の考えを発表するプログラムが充実している。