応募総数18,214作品が寄せられた國學院大學・高校生新聞社主催『第27回全国高校生創作コンテスト』。各賞ならびに学校賞が決定しました。応募数の詳細と各賞の結果は以下の通りです。                        

【応募総数】
18,214作品
・短篇小説の部:1,015作品 
・現代詩の部   :782作品
・短歌の部      :6,711作品
・俳句の部      :9,706作品

団体賞

【文部科学大臣賞】
埼玉県立浦和第一女子高等学校
【特別学校賞】 
宮城県仙台第三高等学校
【奨励賞】 
福岡・西日本短期大学附属高等学校 野球部

 短篇小説の部

【最優秀賞】
  「歓声.mp3」 西尾 実優(北海道札幌啓成高等学校3年生)
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【優秀賞】
  「僕の夏」 水澤 由奈(東京・東京女学館高等学校2年生)
  「鏡写しのような」 吉田 璃子(京都府立東舞鶴高等学校 浮島分校2年生)
 
【佳作】
  「おもかげ」小宮山 愛実(静岡・日本大学三島高等学校3年生)
  「颯太と数学」菊地 兼太朗(宮城県仙台第三高等学校2年生)
  「ネモフィラ色の空を」  
   和田 七望(東京・精華学園高等学校 探究アカデミー東京校3年生)
  「月の光」小平 遥(東京・三田国際学園高等学校2年生)
  「ゾウと夢の話」船山 莉紗(東京・白百合学園高等学校3年生)
 
【入選】
  「だって心臓がうるさいのだから」杣友 臨(徳島県立城東高等学校2年生)
  「リメイクとリスタート」續木 柚乃(福岡県立筑紫丘高等学校1年生)
  「辞世」高橋 心花(東京・東京女学館高等学校2年生)
  「涙のフルーツタルト」菊池 美帆(東京・創価高等学校3年生)
  「君の一射は鳴り響く」遠藤 優璃(福島県立葵高等学校2年生)
  「自由」花田 光(広島県立広島叡智学園高等学校2年生)
  「和菓子店の紡ぎ」髙橋 和加奈(北海道釧路明輝高等学校3年生)
  「夏の始まり」小堺 昂(神奈川・慶應義塾高等学校3年生)
  「花が咲くとき」神原 美海(東京都立日比谷高等学校2年生)
  「追想の彼方へ」浜田 恭華(三重・青山高等学校1年生)
 

 現代詩の部

【最優秀賞】
   「白い花びら」井之川 帆南(神奈川県立湘南高等学校3年生)
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【優秀賞】
  「ジンベイザメのぬいぐるみ」日名 祥也(岡山・津山工業高等専門学校2年生)
  「無題」酒井 初音(兵庫県立長田高等学校3年生)
 
【佳作】
  「あのこの背中」鈴木 南美(愛知・聖霊高等学校2年生)
  「映画館」山口 莉緒(広島・AICJ高等学校1年生)
  「コンビニ」小田 彩瑛(岡山・津山工業高等専門学校1年生)
  「キャサリン」小野 英美理(東京・田園調布雙葉高等学校2年生)
  「かさに穴があいた」朴 可然(長野・上田西高等学校3年生)
 
【入選】
  「こよみの上で踊る」泉 まいこ(神奈川県立湘南高等学校3年生)
  「おいてかないで九段下」井町 知道(東京都立日比谷高等学校2年生)
  「日曜日」津村 日奈子(神奈川・慶應義塾湘南藤沢高等部1年生)
  「風邪ひいた」弓気多 咲花(東京・学習院女子高等科2年生)
  「趣味の鑑賞。」栗田 真菜(東京・東京学芸大学附属高等学校2年生)
  「家」坪坂 美葉(東京都立新宿山吹高等学校3年生)
  「夏音」小林 稜月(兵庫県立姫路西高等学校3年生)
  「まだ筆は置かない」五十嵐 奈桜(千代田区立九段中等教育学校1年生)
  「夜の描き方」
         和田 七望(東京・精華学園高等学校 探究アカデミー東京校3年生)
  「水星のダンゴムシ」今岡 なつ(兵庫・雲雀丘学園高等学校2年生)
 

 短歌の部

【最優秀賞】
蓮沼 徳仁(東京・巣鴨高等学校1年生)
鳥達よ祖父はもう来ないこの庭に最後の枇杷を共に食べよう
 
【優秀賞】 
  「捕手として守り抜かねばならぬ夏痣を誇りに受け止めてきた」
   多久 将太(福岡・西日本短期大学附属高等学校3年生)
 
  「手話使い、無邪気に笑う女の子この光景が平凡になれ」
   髙山 怜花(埼玉県立浦和第一女子高等学校2年生)
 
【佳作】
  「人間は悪を殺して満足するそれは正義と呼べるのだろうか」
   三宅 珠貴(静岡・静岡雙葉高等学校2年生)
 
  「ストレート想いを伝えた高二の夏試合も恋も空振り三振」
   當間 未実(沖縄県立名護高等学校3年生)
 
  「雨の中貴方は傘を差し出した気付いてくれた心の雨も」
   石川 ゆい(宮城・常盤木学園高等学校1年生)
 
  「滝の音は子らが巣立つも変わらずに響きとどろくふるさとの母」
   弓削 千賀子(鹿児島・志學館高等部2年生)
 
  「青に咲く雲の淡さが君みたいひとりで想う風はもう春」
   平良 航暉(沖縄県立八重山高等学校2年生)
 
【入選】
  「青空は地球の果てまで続いてる 小麦の国に平和の青を」
   前川 菜々子(岐阜・多治見西高等学校1年生)
 
  「亡き友を遣らずの雨が包む古都送り火はただ逆らいて燃ゆ」
   佐藤 柊也(宮城県仙台第三高等学校2年生)
 
  「八回裏四点の差を追いかけて亡き母捧ぐホームラン打つ」
   轟木 琉惺(福岡・西日本短期大学附属高等学校3年生)
 
  「暗雲をかきわけその手で掴みとれ空の青さを知る者たちよ」
   曺 永武(東京・東京朝鮮中高級学校2年生)
 
  「車庫にブルーシートをハンモックにと巣の子燕に吊しやる祖父」
   谷口 結子(岐阜県立吉城高等学校3年生)
 
  「忘れるな夜に揺れた家の中親が私を守った姿」
   中川 果音(石川県立松任高等学校3年生)
 
  「グランドで戦いたかった最後の夏響く太鼓に思いをのせて」
   井阪 龍之助(三重県立松阪商業高等学校2年生)
 
  「このチョコが甘くなるのに必要な砂糖ぐらいにあなたが好きだ」
   樫下 小春(神奈川県立光陵高等学校2年生)
 
  「オフの日も練習するよしのすけいつか打てるよ努力の一打」
   仲本 拓桃(沖縄県立名護高等学校3年生)
 
  「たすきかけ街へ繰り出す若者を遠くで見守り汗をかく父」
   森本 信太(東京都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパス3年生)
 

 俳句の部

【最優秀賞】
植原 拓巳(群馬県立高崎高等学校2年生)
      彗星の軌道の逸れて切子かな
 
【優秀賞】
  「横顔のよく見える道夏近し」
   加藤 湊人(兵庫・灘高等学校2年生)
 
  「夏痩せてマトリョーシカの四番目」
   横溝 惺哉(宮城・クラーク記念国際高等学校 仙台キャンパス3年生
 
【佳作】
  「春の昼チューバに映る大あくび」
         河野 律(埼玉県立浦和第一女子高等学校1年生)
 
  「憂き午後や炎ゆるサドルを押し海へ」
         津村 日奈子(神奈川・慶應義塾湘南藤沢高等部1年生)
 
  「鬼灯や恋する女子の頬と知れ」濵本 小羽(岐阜県立飛騨神岡高等学校1年生)
 
  「いさら井を守らむとする藪椿」山﨑 琴平(福岡・筑紫女学園高等学校2年生)
 
  「掃苔やさびしく笑ふ母とゐる」
         吉田 幸生(福岡・西日本短期大学附属高等学校3年生)
 
【入選】
  「帰省する汽車に貼りつく斜陽かな」
         樫本 涼佑(徳島・阿南工業高等専門学校1年生)
 
  「卒業式いつもの改札通り抜け」
         原 堅人(千葉・木更津工業高等専門学校2年生)
 
  「空蝉のまぶしき雨をあとさきに」茂木 美空(千葉県立佐倉西高等学校1年生)
 
  「泡の子の死んだ炭酸盆の墓」中村 満里奈(埼玉・星野高等学校3年生)
 
  「夏空を分かつ飛行機雲速し」
         清水 暁大朗(埼玉・慶應義塾志木高等学校3年生)
 
  「かなぶんを家まで連れてくるズボン」
         坂本 佳樹(福島県立磐城高等学校3年生)
 
  「昼餉食ふ我の足吸ふ蚊よあはれ」
         清水 こはる(埼玉県立浦和第一女子高等学校2年生)
 
  「叢書食むきらら微かなる爪音」山上 春香(千葉市立千葉高等学校3年生)
 
  「Kが死に唾の甘さよぼたん雪」知念 ひなた(沖縄・興南高等学校2年生)
 
  「山眠る野良犬の尾は豊かなり」富岡 優月(群馬県立高崎高等学校2年生)
 
 

短篇小説の部 最優秀賞作品 

歓声.mp3
 

 今にも心臓が飛び出してしまいそうだった。
「緊張してる?」
 ふいに右側から声が聞こえた。平均的な高さの、ざらつきを感じる声。「た行」の発音がやや甘い。水城だ、とすぐに分かった。
「少しだけね。他の高校も全部レベル高くて、自信ないなぁ」
「大丈夫だって、綾野が何回も何回も練り直した作品なんだから」
「そうだよ。私も、ドラマは行けると思う」
 同じく三年のアナウンス班、穂高が横から早口で捲し立てた。ハキハキと歯切れのいい声は、無意識に「もっと聞いていたい」と思わせる。穂高も共に県大会まで駒を進めた仲間で、大会三日目の今日、発表を終えた。肩の荷が降りたのか、声には安堵と隠しきれない緊張が滲んでいる。
「発表って何時からだっけ?」
「五時から。今は四時手前だから、結構時間あるよ。他校との交流時間みたいな感じになってる」
 水城が答えた。なるほど、だからこんなにも周りが騒がしいのか。
「ラジオドラマにも何個か質問きてたと思うけど」
「そうなの? 大会終わってからまとめてメールしようかな。他校と批評し合う気力なんて残ってない」
 綾野は笑った。結果発表を前にして、ライバル校の生徒とフレンドリーに交流できる人達は本当にすごい。素直にそう思った。発表を終えた時点で結果は決まっていると言い聞かせても、自分は全く吹っ切れることができない。
「私、交流行ってきてもいい? あそこの高校に発声のコツ聞いてきたい」
 うずうずと興奮を抑えきれない様子で、穂高が問うた。あそこ、というのがどこを指すのか綾野には分からないが、快く了承する。彼女が席を離れると、それを皮切りにして他の部員もちらほらと席を立ったようだった。衣擦れの音が重なる。
 最終的には席に一人残されたが、綾野にとっては好都合だった。結果発表前、加えて三年生引退前最後の大会というのもあり、非常にナーバスな状態なのだ。放っておかれる方が今はかえって心地がよい。
 綾野はリュックサックの中を漁って、ICレコーダーをふたつ取り出した。そのうち片方に巻き付いている有線イヤホンをぐるぐる解いて、きちんと接続されていることを指でなぞって確かめる。結果発表までは、まだかなりあるだろう。それまできっと部員も戻ってはこない。深く背もたれに体重を乗せるように座り直し、再生ボタンを押す。

『時刻は午後十時です。皆様いかがお過ごしでしょうか――……』
 ぶつ、ぶつと微かなノイズと、低くて落ち着きのある男性の声が鼓膜を揺らす。流れ出したのは、あるラジオ番組の録音だ。今となっては終了してしまっているものの、この番組が綾野の一番のお気に入りだった。パーソナリティは先程の男性一人のみで、ゆったりとした語り口調のまま淡々と駄弁るような内容になっている。そこには流行りの音楽も雑誌の話も何もなくて、ただ他愛ない日々の報告や、全国各地に潜むリスナーの近況報告などをずっと囁くように読み上げ、答えているだけだ。何が面白いの? と母には苦い顔をされたことがあるが、綾野の性には合っていた。
 ラジオはいいものだった。辛いとき、悲しいとき――姿の見えない「誰か」に向けて、たった一人で語り続ける人がいる。その姿はあまりに健気で美しい。そんな彼らの存在は、ふとしたときに押し寄せる憂鬱から常に綾野の心を救ったのだ。

 

『この番組は今日で終了、ですけれどもね、また再来週? から僕の担当させていただいた音声ドラマの方が始まりますので――』
 数あるラジオ番組の中でも、綾野が最も魅せられたのはラジオドラマだった。
 好きだったあの番組、その最終回で宣伝を聞き、綾野は彼が脚本家であることを初めて知った。知ってから、興味が移るまでは早かった。SEや間合いなどといった些細なものが互いに影響を受け、一つの場面が完成する。映像のある、世間一般的なドラマの類を初めから諦めてきた綾野にとって、これほど自身の空白を満たすものはなかった。ガラス越しの透明な世界に、ようやく光が差した気がした。

 

『一年三組の綾野です。目が見えません。ラジオを作りたいと思っています。よろしくお願いします』
 二年前の自分の声は、心做しか少し幼い。放送部の皆の前で初めて自己紹介をしたときの音声だった。
 幸運なことに、綾野は非常に耳がよかった。本来は視力に回るはずだった要領が聴力に集中したのだろう。音の反響などを聞き取るだけでなく、相手の声から感情や体調といったものを汲み取るのも得意だった。
『制作班の三木です。綾野ちゃんにしか見えないものがあるはずだから、是非積極的にラジオ制作に携わって欲しい。よろしくね』
 一つ上の三木はそんな綾野の能力を高く評価して、アナウンス・朗読班へのアドバイザーという役割を与えた。それからシナリオの書き方を教えてくれたのも、他ならぬ三木だった。
『ダメだったな――え、何? 悲しくないのかって……そんなのないない。綾野、手伝ってくれてありがとう。お前はいい部員になるよ、きっと』
 三木のラジオドラマは全国大会に進むことができなかったが、三木が結果に落胆することはなかった。だから、綾野も悲しくはなかった。「ありがとうございました」と礼を述べた三木の鼻声は、かつてないほどに澄み渡っていた。見えないが、涙も笑顔もきっと同じだったに違いない。

 

 過去に思いを馳せながら、綾野は次々と音声を流していく。

 

『じゃあ、部長から一言。残念ながら県大会突破とはならなかったけど――……』
 自分たちが二年生のとき。
『ねえ、次のドラマどうする?』
 ミーティングの記録。
『「もっと、あなたとくだらない話がしたいよ」』
 レコーディング中。
『ここ、もうちょっとSEが大きい方がいいかもね。ボールがぶつかるシーンでしょう?』
 顧問の先生への最終チェックを通すとき。
『明日、頑張ろうね、』
 つい一昨日のデータ。自分の声。
 その次はまだ、何もなかった。

 イヤホンを外すと、外界の喧騒が一気に押し寄せて耳がキンと痛んだ。知らないうちに、傍に座る人々の気配が帰ってきている。
「どうだった? 交流会は」
「みんなラジオ褒めてたよ。綾野も来ればよかったのに」
 水城が苦笑する。行きたい気持ちはあったが、今なお心臓が強く速く打っているのを考慮すると、このままで正解だったとも思う。
 結果発表まであと五分。会場がざわめき出す。綾野はICレコーダーをリュックサックにしまった。「あのさ、」
「ラジオドラマって、世界を創ってる! って感じだよね」
 唐突な発言に、空気が揺らぐのが分かった。自分で言って、何ポエムみたいなこと言ってんだ、と笑いが込み上げてくる。でも、誰もそれを馬鹿にはしなかった。返ってきたのは、「世界?」という後輩の呟きだけ。
「初めはセリフしかないのに、足音のSEを入れたら、登場人物が歩き出すでしょ。さらに雨の音を追加したら、そこには雨が降る。そうして世界ができるの、箱庭みたいに。白紙に付箋を貼るみたいに」
 ドラマは一人じゃ作れないから。私、この仕事できてよかったなあ、なんて。
 次の瞬間、誰かに抱きしめられる感触がして綾野は驚いた。「いいこと言うじゃん」と高い声を上げるのを聞いてようやく、それが穂高だと分かった。同級生の細い腕の中で、綾野は小さく息をつく。
 こんな身体だから無理だって諦めて、全部、逃げてきたんだけど。こればっかりは違うから全力なんだ。
 光を持たずに生まれたこと。欠かさず聴き続けてきたラジオ番組。出場し続けてきた大会。全てが私の精神と地続きになって、今日の日まで続いている。願わくは自分も、あのように澄んだ声で「やり切った」と言えたなら。かつて夢を見せた脚本家のようにできたら。私の何かは変わるのかもしれない。
 ブザーが鳴って、照明がふっと落ちる。会場内は水を打ったように静まり返った。それから再度、ステージの照明が点く。
 コツコツと靴音を鳴らして出てきた男性が挨拶の言葉を述べる。その声は、何度も何度も聞いた、柔らかく淡々と語りかけるもの。
 綾野は録音ボタンを押す。マイクを吹く息、空気の震え、会場全体に張り巡らされている緊張の糸。
「それでは結果発表に移ります。まずは――」
 祈るような形で、綾野は静かに目を閉じた。その透明な瞼の裏側に、世界はどこまでも広がっていた。

 

現代詩の部 最優秀賞作品 

【白い花びら】
夏の黒にその白はよく映えた
首筋が炭酸を飲み干すやうに震へる
私の家の裏山にやつてくる蛾の大群が
私は大嫌いだつた

しかしどうだらう、かつての博学才穎も眉目秀麗な王子も獣に堕ちた
すべての生き物がもしもいつか貴き人間であつたとしたら
私やみなと同じやうに息をしてゐたとしたら
どうして君を突き放せよう

大群でやつてきた蛾たちは大量に花びらのごとく舞ひ落ちる
またひとひら、君はもう二度と空へ届かない

不可解なほどに温かい車のライトが
徐々に光を強める
白い花びらはそのやはらかな輪郭を
徐々にはつきりとさせる
何度も何度も羽を
何度も何度も
何度も何度も
それは美しく透きとほつてゐた

光は突然に消える

エンジン音は過ぎてふたたびの静寂
君は地から動けずして
小さな風を受け微細に振れる
なんともなんとも羽は
なんともなんとも
なんともなんとも
美しく
濁つてゐた

血は流れなかつた、ゆえそこに潤ひはない
私にはそれがどうも苦しく寂しく思へてならないのだ

 わたしのことでないのだが
 なぜこうおちるこのなみだ
 ふみくだかれたきみよきけ
「よはなれのみのうきよかは」
       .  .  .  .
夏の黒にそのまつしろはよく映えた
蛾の大群は私の家の裏山に
今年もやつてくる

ご応募いただき誠にありがとうございました。            
本コンテストは来年も実施予定です。詳細は2024年4月以降に発表いたします。


國學院大學ホームページにも受賞結果を掲載しています。こちらからご覧いただけます。