いろいろな看護関連の仕事

 

看護師の活躍場所は病院・診療所が中心だ(図1)。さまざまな診療科で幅広い知識と技術を身に付けたり、専門分野を極め、キャリアを積んで認定看護師や専門看護師へとステップアップする道もある。

社会の高齢化に伴い介護施設や訪問看護ステーションなど活躍の場所が広がっており、医療と介護をつなぎ在宅ケアを支えるために、ケアマネージャーの資格を取る看護師も増えている。

保健指導や健康相談など人々の健康を守るための取り組みを行う保健師や、主に妊娠から出産後までの周産期にある女性と赤ちゃんのケアを行う助産師という仕事もある。

准看護師は看護師と同様に患者のケアをする。医師の指示を受けるのは看護師と同じだが、看護師の指示を受けて業務を行う点が異なっている。

 

看護師になるには

看護師として働くには、看護大学、看護専門学校といった看護師養成課程のある学校で3~4年間学んだのち、看護師国家試験に合格し、看護師免許(国家資格)を取得しなければならない。一度取った免許は一生涯にわたって有効だ。なお、専門学校は3年制で3分の1の時間が実習に充てられるため就職後は即戦力として働ける。逆に大学では高度化・多様化する医療に対応するために的確な判断力や実践力を養う学習をするのが特徴だ。

また保健師も助産師も看護師の資格を取得した後に国家試験に合格しなくてはならないが、4年間で保健師や助産師の受験資格を取得できる養成課程を設けている大学もある。学校内で児童・生徒の保健・予防・安全管理を担う養護教諭の一種免許状などを取得できる大学もある。将来のキャリアを考えて進学先を選ぼう。

看護師に求められる資質とは

看護師は、人の生命を預かるという責任の重さから、さまざまな資質が求められる。仕事量が多い上、夜勤などの不規則な勤務やストレスに耐えられる体力、気力、そしてどんな状況でも的確に対応できる冷静さや判断力が不可欠だ。年齢・性別問わず多くの患者と接し、最近では、医師や薬剤師、理学療法士らと医療チームを組んでスタッフがそれぞれの専門性を発揮しながら仕事をする機会も増えているため、どんな人ともコミュニケーションを取れる協調性も大切だ。さらには医療の高度化に合わせて知識や技術を学び続ける意欲や日々の努力が欠かせない。

近年は男性看護師も増えている。2018年に看護師として働いていた121万人のうち、男性看護師は9万5000人にすぎないが、この10年で2倍以上に増えた(平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の結果)。患者の移動や体位の変換といった重労働も多く、同性の看護師を望む男性患者も少なくない。男性看護師は今後ますます必要とされるだろう。

看護師の待遇とやりがい

 

厚生労働省の調査によれば2018年の看護師の平均年収は男性492万円、女性478万円、全体で480万円(平均年齢39.3歳)。男女を合わせた全労働者の平均年収の約497万円をやや下回るが、女性全体の382万円より100万円近く高い(図2)。また他の職種と比べると景気による収入の変動も少ない。看護師は慢性的に不足しているため、いったん離職しても復帰しやすい。勤務スタイルにはバリエーションがあるため、結婚や出産などでライフスタイルが変化しても、それに合わせた働き方ができるのも魅力だ。保育施設を設けている病院も増え、子育ての環境も整ってきた。また、看護師として働くなかで得た知識やスキルは自分自身や家族の健康管理に役立てることもメリットだ。1つの職種でキャリアを積みたい人に向いている。

看護師の魅力は給与面、雇用面の安定だけではない。担当していた患者が病気やけがを克服し健康を取り戻したとき、医師をはじめ他の医療スタッフとうまく連携できたときなど、誰かの役に立てた、自分の成長を実感できたなど、やりがいを感じる場面が多い。退院する患者から「ありがとう」と笑顔で感謝の気持ちを伝えられた時には苦労も吹き飛ぶだろう。人の役に立ちたいと思っている人には達成感の感じられる仕事だ。