IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)の情報サイトで、最大2万本の記事、最大74万7643件の画像に盗用など著作権侵害の疑いがあることが分かった。

広告得るため「質より量」

情報サイトは「キュレーションサイト」とも呼ばれ、ネット上のさまざまな情報から記事をまとめ、そのページに広告を載せる。閲覧者が増えれば増えるほど広告収入が増えるため、記事の量産が優先された。

昨年、DeNAが運営する健康・医療や旅行など10の情報サイトで無断転載や記事の誤りが指摘され、全サイトが休止に追い込まれた。同社が設置した第三者 委員会は、休止されたサイトの記事37万本を対象にした抽出調査や関係者への聞き取り調査を実施、画像472万件超も調べた。その結果、著作権侵害の可能 性がある記事が最大5.6%あることが分かった。医薬関係の法令に違反し、薬の効果や安全性に誤解を招きかねない記事も10本あった。

記事の執筆者は職業ライターだけでなく、副業目的の会社員や主婦も多かった。報酬単価が低く短時間で多くの記事をつくることが、不正確な内容など質の低い記事が氾濫する要因とされる。DeNAは記事の無断転用を進めるようなマニュアルもつくっていた。

同社は主力のゲーム事業が伸び悩む中で情報サイト事業に進出した。しかし、広告収入を得るために「質より量」を重視したことで、インターネットメディア情報全体の信頼性が揺らぐことにもなりかねない。