ファッションモデルや女優として輝きを放つ中条あやみさん。最新出演作の映画では、チアダンス部をまとめる部長役に「まるで本物の部活動」のように懸命に取り組んだ。チアダンス練習でともに汗を流した共演者に支えられて、壁を越えた。(文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

半年前から猛特訓

「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」は、福井商業高校のチアリーダー部「JETS」の実話を題材にしたスポコン映画だ。中条さんはチアダンス初心者。撮影が始まる半年前から踊りの猛特訓に励んだ。「入念なストレッチやチアダンスに必要な技術の一つ『ポンダンス』の習得といった基礎練習を繰り返しました。リズム感に不安があったので、個人練習で集中的に鍛えました」

応援すると自分も元気に

自身は中学生のころ、バドミントン部に所属していたが、「リーダーシップを発揮するタイプではなかった」と振り返る。「だから(部長役を演じるのは)不安でいっぱいでした。そんな私を共演のみんなが声を出して盛り上げてくれて。私も『引っ張っていくぞ』という気持ちになりました」

出演者みんなで足りない部分をフォローし合う関係が生まれ、「まるで部活そのもの!」。チアダンスもめきめき上達していった。「自分がどんなに大変でも、明るく笑顔で誰かを応援する『チア・スピリット』という言葉があります。不思議ですが、懸命に応援すると自分自身も元気になっていくんです!」

「チャレンジ欲」湧いた

未経験のダンスや、素の自分とは違う部長役の挑戦を終えて、新しい自分に気づいた。「できないと思っていたことを克服すると、別の『チャレンジ欲』が湧いてきます。今後も女優としていろんな役を演じたい」

部活動に打ち込む高校生へ、〝チアダン部長〟から一言。「辞めたい、大変だなと思う瞬間は誰にでもあると思う。それでもやり続けて、壁を一つ乗り越えると、今まで知らなかった自分に出会えます。だから頑張って。応援しています」

なかじょう・あやみ 1997年2月4日生まれ。大阪府出身。2011年、ファッション雑誌「Seventeen」主催の「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得して芸能界入り。2012年にはドラマ「黒の女教師」で女優デビュー。今年11月25日公開の映画「覆面系ノイズ」で主演。