働き方 変わる? 企業の意識改革が不可欠

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 違法な長時間労働を苦にした電通社員の過労自殺で、あらためて「働き方」が問われている。長時間労働などによる過労死を防ぐために働き方を見直す必要があることは誰もが認め、国も「働き方改革」を進めるが、長時間労働の解消には課題が多い。今の高校生が社会に出るまでには、働き方が変わるだろうか。

安倍政権「最大の挑戦」

 Q  長時間労働は違法なの?

 労働基準法では労働時間の上限を1日8時間、週40時間と規定。労使間の協定があれば、企業が時間外労働(残業)をさせることも可能だが、厚生労働省は残業上限を月45時間、年360時間までと定めている。だが、労使間の合意でさらなる残業も可能で、事実上は無制限になっている。自殺した電通の新入社員は、労使間の協定を超える時間の残業を強いられていた。

 Q  「働き方改革」とは

 多様なライフスタイルと仕事を両立できる社会を目指し、安倍晋三政権が「最大のチャレンジ」と位置づけた労働政策の見直しの総称だ。人口減少が続く中で、企業の生産性を向上させる狙いもある。

「週休3日」導入企業も

 Q  どんな風に変わる?

 既に「週休3日制」を表明したり、スーパーコンピューターやテレビ会議システムの導入で2020年までの「残業ゼロ」実現をうたったりする会社もある。しかし、そのような企業はまだまだ〝少数派〟だ。

 政府と経済界は、月末最後の金曜日の退社時間を午後3時に繰り上げる「プレミアムフライデー」制度を2月から取り入れるよう呼び掛けているが、これにも賛否両論がある。

 「余った時間を自己啓発型の資格取得や語学学習、健康維持・管理のためにスポーツをすることもできる」という肯定的な意見がある一方で、「サービス業や交通関係、医療関係などに従事する人は早じまいできないし、少しでも働いて家計を助けたいパートタイムの労働者をどうするのか」と、その効果を疑問視する意見もある。

 Q  本当に変えられる?

 従来の働き方を変えるためには、まず企業側の意識改革が不可欠だ。だが、経営面や従業員数に余裕のある会社はともかく、やりくりの苦しい会社は簡単には労働時間の短縮には踏み切れないだろう。さらには、働く側がどんな生活を望むのか、自身のライフスタイルを見直すことも必要かもしれない。

(高校生新聞 2017年3月号から)

 

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