【強さのヒミツ51】自分にプレッシャーかける(東京・文大杉並ソフトテニス部)

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強烈なストロークが武器の林田リコ。後衛はできるだけ強い打球を意識している

 今夏、全国高校総体(インターハイ)で女子の団体、個人ともに悲願の初優勝を果たした文大杉並(東京)。団体では10月に国体も制し、3月の全国高校選抜と合わせて「高校3冠」の偉業を成し遂げた。部内でのランキング戦で競争意識を高めつつ、チームが一丸となって団体戦に臨んでいる。
(文・写真 小野哲史)

ランキング戦で競い合う

 約20分をかけるステップワークなど、練習はウオーミングアップからハードに始まる。「入学したばかりのころはきつくて、毎日、気持ちが悪くなるほどでした」と振り返るのは、宮下こころ(2年)とのペアでインターハイの個人を制した主将の林田リコ(2年)。「おかげで体力がつき、体幹も鍛えられて強いボールが打てるようになりました」と語る。

 4面あるコートは、主に金曜日に行うランキング戦の結果によって実力別に分けられている。「できるだけ上のレベルのコートにいたい」と林田。ランキング戦は競い合いながらも、新しいプレーに挑戦する場でもあるという。

前衛の練習を重視

 高校女子ソフトテニス界は、後衛主体のペアが多い。その中で文大杉並は、前衛が積極的に動いて試合の主導権を握る戦いを目指しており、ボレーなどの前衛練習に比較的多くの時間を割いている。後衛のストローク練習でも、相手コートに立ち、機を見てボールを取りにいく動きを繰り返していた。

 ストロークやボレーの練習では「10球連続で入らなければ終われない」という高いハードルを課すなど、自分たちにプレッシャーを与えている。

 ただ、それ以上に重視するのが、競技に取り組む姿勢だ。部訓の一つは「心が技術を超える」。宮下は3冠達成の要因を「チーム力」と考える。「レギュラーではない部員たちが、練習でも試合でも盛り上げてくれた。それを見て私たちも『やらなきゃいけない』と必死になれました」

 緊張感のある練習と、チームのためを思う「心」が、強い文大杉並を支えている。

理想の人物像をコート内に掲示している


前衛の得点力を磨く
基本から実践まで前衛練習にかける時間はかなり多い


ポジション感覚を養う
ネットにつけたマーカーにより、状況に応じたポジション感覚を身につけている

人間力を高めてほしい
野口英一監督

 試合中のミスの約8割は、ボールを打つまでの準備の遅れが原因です。軸足を決め、ラケットを引いて構えるまでの動きを、私たちは「1を作る」と呼び、それを素早くできるように徹底させています。1をしっかりできなければ、その後に続く2や3の動きもできません。

 メンタルに関しては「練習でも120パーセントの意識で臨む」ように指導しています。そうすることで自信がつき、試合でどんなピンチが訪れても、気持ちが揺らがずに対応できるのです。

 チームの目標は日本一ですが、部員たちにはソフトテニスを通して人間力を高めてほしいと思います。それは将来、社会に出てからも役に立つはずです。

 TEAM DATA  1974年創部。部員51人(3年生26人、2年生13人、1年生12人)。団体戦で全国選抜大会優勝3回(1981、2013、16年)、国体優勝2回(12、16年)。部訓は「心が技術を超える、誰からも応援される選手になる、勝つことより大切なことがある」

(高校生新聞 2016年12月号から)

 

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