見た目と中身の違うモチアイスを販売した高等部1年E組

東京・品川女子学院高等部1年E組は「白ばら祭」(9月17・18日)で、「見た目で味を判断できない」異色のモチアイスを販売した。「人を見た目で判断せず、中身を理解する大切さを伝えたい」という思いからだ。

販売したのは、外見は「ブルーベリー」の紫なのに中身は「瀬戸内レモン味」のアイスなど2種類1800個。モチクリームジャパン(神戸市)に依頼し、文化祭用に製造してもらった。

白ばら祭では、1・2年生の各クラスが模擬株式会社を設立。実際の企業同様の事業計画や決算などが求められるのに加え、社会貢献を目指した「企業理念」を掲げる。

E組の理念「見た目で判断せず、中身を理解する」は、中等部のニュージーランド修学旅行で現地校に通った経験から生まれた。さまざまな国の生徒がいたが「みんながお互いを受け入れ、人種、性別、宗教で差別されていませんでした」(社長の井野彩海さん)。「外国人」である自分たちにも気軽に話してくれて、「中身を見て接してくれている」と感じたのだ。

文化祭では「アイスを売るだけでなく、お客さまに理念を伝えたい」。そう願い、工夫を凝らした。「長女だから面倒見が良さそう」「背が高いから気が強そう」。店の入り口にはクラスの生徒が「見た目で判断された経験」を張り出した。事前にイスラム教徒、性的少数者(LGBT)の団体、障がい者の団体などから話を聞いた内容も展示。販売中に理念を伝えるスピーチも実施した。

(西健太郎)