スティーブン・ザーカー教授

[関西外国語大学 留学生別科長 スティーブン・ザーカー教授]

大切なのは「何を学ぶか」

世界40カ国750人の留学生と約200人の外国人教員がいるキャンパス──たくさんの国の文化、習慣、宗教に触れながら学ぶ環境で得られるものは何だろうか。

「“語学を学ぶ”だけではなく、語学を使って“何を学ぶか”が重要」。こう強調するのは、関西外国語大学のスティーブン・ザーカー教授だ。アメリカや日本を拠点に、グローバルビジネスの最前線で活躍してきたザーカー教授は、「グローバル化が進む現代の国際社会で求められるのは、高度な語学力だけでなく、文化や価値観の違いなどから生まれる多様な問題を迅速に理解し、対応できる力。日本の企業も世界に通用する人材を強く求めるようになってきている」と強調する。

そんな変化の激しい世界の動きを正確に捉え、真に国際社会に貢献できる人材を育成してきたのが関西外国語大学だ。キャンパス内では、アジアや欧米など多くの国の留学生と交流を深めるプログラムが実施され、日本にいながらにして世界の多様性を体感できる。

世界54カ国・地域
383大学と協定

また、2016年4月現在、54カ国・地域383大学と協定しているこの大学では、留学派遣総数が2210人に上る(2015年度実績)。それぞれが目指すキャリアを実現するための効果的なプロセスとして「留学」を位置づけ、カリキュラムと連動した留学ができるのが大きな特徴の一つ。学部ごとに異なるプログラムがあり、専門性の高い留学も可能だ。

また、留学前の準備として教職員から助言を受けられるほか、留学先の授業料や住居費・食費などを支給・免除する「フルスカラシップ」など費用面のサポートも充実している。

留学とビジネスの経験を共有

外国人留学生を対象に開講されている留学生別科の別科長を務めるザーカー教授も、実は今から数十年前、関西外国語大学の留学生だった。アメリカの大学在学中に来日し9カ月、日本で生活。北海道の農場でボランティアとして働くなど多様な経験を積み、「貴重な時間だった」と振り返る。

そんなザーカー教授が再び長期で日本を訪れることになったのは、ハワイ大学でMBA(経営学修士)を取得後、コンピューター関連製品の開発・販売で知られるヒューレットパッカード(当時)に入社してからのことだ。マーケティングマネージャーとして、日本や世界の大企業と連携やM&Aなどに関する交渉を重ね、事業を成功に導いてきた実績を持つ。その後、米国ケースウェスタンリザーブ大学で博士号を取得。

そして今、教壇でマーケティングや国際ビジネスについて教える教授は、「留学したからこそ得られたものの尊さや、厳しいビジネスの世界で経験してきた成功と失敗のケースを、学生たちにシェアしている」と語る。

大学進学は未来への投資

「世界で活躍するために大切なのは、自分の意見を持って発言し、ポジティブに物事を考え対応していく姿勢。そのために様々な人種や国籍の人と切磋琢磨できる環境に身を置き、自らの頭で考え発信する訓練が必要だ。そして、多様性のある社会の面白さを知ってほしい」。ザーカー教授は、理想とする未来を実現するための学びを応援している。

 先輩に聞く
英語キャリア学部英語キャリア学科4年
定廣勇磨さん(香川県立三本松高等学校出身)
 高校生のとき、オーストラリアへ留学したのを機に、英語を使えるようになりたいと思い、「原則全員留学」がカリキュラムに組み込まれている英語キャリア学部に進学しました。
 入学後は英語に加え、グローバルビジネス、国際教養、英語プロフェッショナルなどの専門分野を中心に学び、留学前に用意されている留学準備コースでは、語学レベルの高いクラスメートとともに英語で議論し、刺激になりました。留学先のアメリカでは、現地の学生とともにマーケティングを中心に英語で学びました。
 帰国後、留学先でたくさんの人に助けてもらった恩返しがしたくて、日本に来た留学生をサポートする本学の国際交流部でアルバイトを始めました。英語での電話対応など大変なこともありますが、授業から日本での生活まで日々いろんな問い合わせに答える業務はやりがいがあります。
 また、ザーカー教授の紹介で始まった米国総領事館でのインターンシップに参加したことも貴重な体験でした。就職活動では、アメリカ留学や在学中に努力してきたことをアピールし、来年4月からアメリカに本社を置く世界最大級の総合化学メーカーの日本法人で働くことが決まりました。理想の自分に近づけるよう、これからも努力していきます。

 

 

 

 

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