(左から)台湾 リュウ・ティシンさん(17歳) アメリカ メアリー・ワードさん(18歳) ドイツ カロリーネ・マルクスさん(18歳) ブラジル ディミトリ・バス・ドス・サントス君(18歳)

神奈川・横浜国際高校には、昨年9月に日本へやってきた4人の留学生がいる。6~7月の帰国を前に、留学した理由と日本の印象を日本語で語り合った。(構成・東憲吾)

日本の文化と生活に興味

――日本を留学先に選んだのはどうして? 

ワード インターネットで着物、茶道、弓道を見て、日本に興味を持ちました。古くからある日本の文化を学ぶために留学を決意しました。

マルクス 私もきっかけはインターネットでした。動画サイトでテレビドラマ「花より男子」を見て、こんな面白いドラマを作る日本ってどんな国なんだろうと興味を持ちました。

リュウ 私はアニメ「けいおん!」を動画サイトで見て、画面の中で繰り広げられる日本の高校生たちの楽しそうな毎日に憧れて、日本に来ました。相撲や宝塚(歌劇)など、日本独自の文化にも触れてみたかったので。

サントス 僕は、ブラジルと180度違う習慣の国で生活してみたかったんです。ブラジルでは初対面の人ともハグをするけど、日本でそれをしたら怒られますよね? それはどうしてなのかを知りたかった。

日本語を学んでしたいことは

――日本語の勉強が第一の目的ではない?

マルクス 日本の文化を学びたい思いの方が強いかもしれません。文化を学ぶためには日本語を理解する必要がある。だから勉強しています。

リュウ 文化に触れたいのと、日本語を覚えたいのと、半々かな。将来は台湾にある日本企業で働きたいので、台湾の高校でも日本語の授業を受けていました。

ワード 私は日本の文化を学び、その経験を生かした映画の脚本を書いてみたいと思っています。言葉を覚えて、もっとたくさんの日本文化に触れたい。

サントス 僕は、将来のことはまだ考えていません。できれば日本語を生かした仕事に就きたいけれど、今は日本の生活を楽しみたい。だから毎日のようにラーメンを食べています(笑)。

友達は留学する人だらけ

――周りの友達も、みんな留学しているの?

サントス 今も同級生23人が留学しています。フランス、デンマーク、フィンランド……。言葉を覚えるためというより、その国の文化に触れるために留学する人が多いですね。

マルクス 私の友達も7人が留学しているけど「雄大な景色があるから」という理由だけで留学先を決めている人もいます。

リュウ ドイツ、アメリカ、フランスなどに10人くらいの友達が留学しています。言葉を覚えたい人が多いかもしれません。

ワード 私の友達も留学している人は多いですね。

便座が温かくて驚いた

――日本では何が印象に残っている?

ワード 日本人の優しさに驚きました。道を尋ねると丁寧に教えてくれますよね。行きたいところまで連れて行ってくれる人もいました。アメリカだったら指で目的地の方向を指して終わりです。

マルクス 便座が温かい(笑)。雪の日でもミニスカートをはいている高校生がたくさんいたのは驚きました。

サントス ブラジルの高校は午前7時に始まり、午後1時には終わります。だから、みんな家で昼食を食べる。日本は学校で昼食を食べるのでびっくりしました。

リュウ 同じアジアの国でも、違う部分がたくさんあることを知りました。私は6月に台湾に帰るけど、本当は帰りたくない。

ワード 私も帰りたくない!