秋は学園祭の季節。特に大学は11 月開催が多く、今、キャンパスは学園祭の準備で賑わっているのではないだろうか。高校と大学の学園祭の違いを知ることで、少しオトナな、大学の学園祭を攻略しよう。

目玉となる伝統的出し物が来場者数に影響する高校の文化祭

多くの高校では秋、それもまだ夏の暑さが残る9月中心に開催されることが多い。内容としては、クラス・部活ごとの展示・出店・発表の他、PTAによる休憩所など、保護者の協力が目立つのも特徴の一つだ。自主自律をモットーとする高校では大学と同じように、学校からの過度の規制は受けず、生徒自らがルールを決め、企画運営を行うところもあるが、多くの高校では学校によってある程度の規制がある。

一般的に行列ができ人気が高い出し物は、お化け屋敷などのアトラクション系だが、目玉となる独自の伝統的プログラムがある高校の文化祭は、提供する側の生徒も来場者も満足度が高い。

たとえば、北海道滝川高校の仮装行列や青森県立弘前高校のねぷた運行など町を練り歩くパレード系、東京都立国立高校の演劇、埼玉県立川越高校の元祖ウォーターボーイズの男子シンクロナイズドスイミングなどの発表系、 農業高校全般で行われる農産物直売といった販売系など、地元の人が毎年楽しみにしている催しがある高校は、「先輩に負けじ」とかなりのクオリティを維持し続ける。

さらに前夜祭、後夜祭といった内輪だけで盛り上がれる時間は、生徒たち自身がもっとも楽しめる時間だ。特に一般公開を終えた後の後夜祭は、各部 門や学年ごとの優秀団体を表彰したり、キャンプファイヤーをしたり、共に文化祭を創りあげた仲間との楽しいひとときになる。

大学の学園祭は規模も予算も大きい

一方で大学の学園祭は、学園祭実行委員会が主体的に企画運営し、来場者が楽しめる創意工夫に余念がない。高校以上に大きな予算が動き、人気アーティストやお笑い芸人のライブ、著名人のトークショーなど目玉となるステージが用意される。

たとえば、早稲田大学は、毎年約16万人を集客するほどの規模をほこり、慶應義塾大学のミスコンは「女子アナの登竜門」とも言われ、数多くのアナウンサーを輩出している。やはり学園祭において、都心の有名大学に人気が集中しているようだ。

また、受験生に対応し、オープンキャンパスとしての役割を持たせる大学も多く、等身大の学生の姿にふれるよい機会だ。

大学の学園祭巡りは 事前のチェックが要

このように高校と大学では規模がかなり違うが、はやりものをうまく取り入れるなど共通点も多い。メイドカフェやイケメン喫茶などは、高校・大学問わず近年の定番だ。また、大量に出るゴミについて考える機会にもなり、エコロジーの観点で取り組みを提案、実行する高校・大学が多いのも共通項の一つだ。

その一方で、大学の学園祭実行委員会はプロのイベントプランナーに負けず劣らずのビジネスライクな動きを見せる。スーツを来て企業とスポンサー交渉をしたり、数百の参加団体をまとめるなど貴重な経験が得られる。

1日かければかなり回れる高校とは異なり、大学の規模になると、見学できる催しに限りがある。あらかじめ、大学のホームページでタイムスケジュールをチェックし、計画を練って出かけるのが大学の学園祭を楽しむコツだ。