お弁当甲子園では、「学校賞」を設けていることをご存じでしょうか?
学校賞とは、優れた作品を多数ご応募いただいた高校へ授与している賞のことです。お弁当甲子園は夏休みの課題として取り組んでいただく学校が多いため、生徒さん個々の取り組みになりがちですが、先生による事前の指導によって、作品の内容や学びの質に変化があるかもしれません。

 学校賞を受賞した目黒日本大学高等学校をインタビュー 

第10回お弁当甲子園にて学校賞を受賞した目黒日本大学高等学校では、家庭科の授業の1コマでお弁当甲子園を採り上げ、高校2・3年生の全クラスで挑戦していただきました。指導に当たった小峰とも子先生は、『必修として全員が取り組むことに意味があると感じている』と話します。どのように指導されたのか、インタビューしました。

 導入STEP 01  調理をするきっかけとして 

 コロナ禍で調理実習を行うことができない状況でも、自宅で調理をするきっかけを与えたいと思い、授業の中で「お弁当甲子園」に取り組みました。
昼食でお弁当を持ってくる生徒は多いのですが、自分で作っている生徒は少ない。「作る工程」を知ることで、普段作っている人への感謝の気持ちがうまれたり、「調理ってこんなに大変なんだ」という気付きもいっぱいあると思って挑戦をさせました。
取り組まない生徒を出さないために、「全員必修」の課題とし、1学期の評価材料としました。期末テストの前までに提出してもらい、教員も担当生徒の作品はすべて目を通しました。

 導入STEP 02  誰に作る?ターゲットを決めよう 

 まずは、主食・主菜・副菜を考える、調理時間・食材費を考えるなど、お弁当の基本を学ばせました。その上で「お弁当甲子園」にはどのように取り組めば良いか、家庭科の授業の1コマを使って説明しました。 
 お弁当で気持ちを伝えるには、調理に取り掛かる以前に、「誰に」作るのか、ターゲットを絞りコンセプトを決めることがとても重要だと感じたので、まずはポイント①をしっかりと考えさせました。その後に、伝えたい事の大枠とタイトルを決めてもらいました。このように相手が具体的になると、食材の切り方、あるいは柔らかさ、調理法などもその人に合ったものを考えないといけないですよね。例えば、「脂っこいものを控えてほしい」という場合は、「蒸すの?焼くの?」というように、調理法から切り方、材料まで全てを考えることが大切だよ、と生徒に伝えました。授業内で取り組んだのはここまでで、献立を考えて調理するのは生徒個人で行ってもらいました。

 導入STEP 03  楽しみながら学ぶことができる 

みんな本当に頑張ってくれて、どの作品も良いものが多かったです。やはり「賞をもらえる」ということがモチベーションになって、生徒は楽しかったのかな、と思います。嬉しいことに、学校賞と3年生2名も賞を頂きました。優秀賞を受賞した関根くんは、「調べるのにも作るのにも凄く時間がかかった」と話しています。その言葉は授業の狙いともつながる部分があって、単にお弁当を作るだけではなく、「誰に」作るのか、「どんな想い」で作るのか、という視点で取り組んだことで、感じたことや気づいたこと、そこから学んだことは様々あったはずです。
多くの生徒がお弁当づくりに真剣に向き合ってくれて、「全員必修」とした甲斐がありました。次は1・2年生で挑戦したいと思います。

 

 目黒日本大学高校の受賞作品を紹介! 

【優秀賞】 関根 翼さん
「世界のみんな」へ「川崎応援弁当」

 
 私の地元である川崎市を応援する、川崎応援弁当を作りました。材料はすべて地場野菜を使用し、7つの区からなる川崎市を7つの品物で表現しました。中原区産の福来醤油で作った梅と大葉のお稲荷さん。麻生区で採れた防空壕木耳の甘辛煮。多摩区で採れたじゃがいもの朝採れバジル和えなど、川崎市産に拘りました。川崎市産の食材集めから始まり、半日かかったお弁当作りですが、彩りよく作ることができ、川崎市を表現できたと思います。川崎市というと、工業地帯や発展した町と考える人が多いと思いますが、自然豊かでたくさんのおいしい野菜が採れるということをみなさんに知っていただきたいです。ぜひ、川崎の食材を食べてみてください。

 

【佳作】 岡本 璃里子さん
「元気になった父と毎日お弁当を作ってくれる母」へ「思い出弁当」

 

私はお弁当を2つ作りました。1つは元気になった父へです。父は1年前、病気で入院していました。その時、初めて卵焼きを作り病院へ持って行き食べてもらいました。今回父が元気になり家でお弁当を食べる姿を見て、病気が心配で不安な気持ちで作った卵焼きの思い出が元気になって笑顔で卵焼きを食べる思い出になりました。もう1つは毎日お弁当を作ってくれる母へです。母は毎日違うメニューのお弁当を作ってくれます。今までのたくさんのメニューの中でも、一番好きで思い出に残っているのは、お花の海苔巻きです。お花の海苔巻きがあると幸せな気持ちになります。母にたくさんの幸せな気持ちをもらったので感謝の気持ちをこめて作りました。

 

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【 お問い合わせ 】
高校生新聞社 コンテスト係
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FAX.042-724-2710
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※▲を@に変えてください
 
主催:鎌倉女子大学、高校生新聞社
後援:全国高等学校長協会家庭部会、全国高等学校PTA連合会
協賛:マルコメ、エバラ、キッコーマン、島の茶屋あぶらや