受賞理由 
 2名は、高校入学後、真面目で真摯な態度で学業と部活動の両立を継続している。将棋部に所属し、3年間絶えず日々研鑽を積み、平成27年7月28、29日に滋賀県で開催された「第51回全国高等学校将棋選手権大会」で本校を6年ぶりに女子全国総合優勝へと導いた。高校3年間の学業と部活動の努力と功績は本校にとって他に追随を許さない偉業である。

持ち味生かし快進撃

藤原雅子さんは「楽しそうな雰囲気なのに大会で活躍しているところに魅力を感じて」将棋部に入部。田中瑞穂さんも「駒の動かし方を知っている程度」で、2人とも将棋に関しては初心者だった。放課後に対局を重ね「先生や先輩からアドバイスをもらったり、自分で本を読んだりして」(藤原さん)力をつけた。土日の他校との練習試合や小さな大会への出場で経験を積んだのも成長につながったという。

田中さんは「集中が続かず、最後に逆転され負けてしまう苦しい時期もあった」が、掛け持ちをしていた他の部活でうまく気分転換をしながら乗り越えた。

昨夏の全国高校将棋選手権大会では、強力な1年生も加わり、3人で組んだチームは快進撃。「守りを固めて持久戦に持ち込むのが得意」という藤原さんも、「どんどん攻めていくのが好き」という田中さんもそれぞれの持ち味を発揮し、団体戦で日本一の座をつかんだ。

将棋を通して学んだことは多かったと、2人は口をそろえる。「礼儀やマナー、そして負けたらそれで終わりではなく、次にどう生かすかが大切」(藤原さん)、「最後まで何が起こるかわからないので、何事もあきらめてはいけない」(田中さん)。今後、どんな道に進むとしても、そうした教訓が自身の支えになるに違いない。

(小野哲史)

将棋部の皆さんへのQ&A 

Q.高校生活の心構えは?

勉強も大切ですが、部活動は何かしらやってほしいですね。また、学校の内外であるいろいろな分野のイベントに積極的に参加することで視野も広がると思います。(藤原さん)

入学前の理想と入学してからの現実では、良くも悪くも期待通りに行かないかもしれません。でも、その中で頑張っていけば、得られるものはあるので、どんなことにもやる前からあきらめないことが大切です。(田中さん)

Q.勉強と他のことを両立させるための工夫は?

将棋を強くなりたいという目標がありましたが、そのために勉強も自分なりに頑張りました。授業をしっかり受けるのはもちろんですが、課題などはできるだけ早めに済ませて、その分、将棋に充てる時間を作る工夫をしました(藤原さん)

私は部活を掛け持ちしていたので、どれか一つに偏り過ぎないことは心掛けていました。例えば全国大会の前には将棋に集中して、終われば他の部活動を始めるというようにして、切り替えを意識しながら取り組みました。(田中さん)

学校の特色 
 昭和55年に幕張東、西、北の3校が全国初の集合形態をとる学校として設立され平成8年に新たに総合選択制の高等学校として統合された。生徒数約2400名、教職員数約190名の大規模校で文武両道を目指し実績をあげている。