男性にも負けない、力強い演奏が須貝さんの持ち味

5 月3、4 日に青森市であった「津軽三味線日本一決定戦」の「日本一の部」を制した須貝麻由さん(宮城・仙台東高校2 年)。毎日2時間以上の練習を重ね、史上最年少で栄冠をつかんだ。 (文・写真 阿部理)

譜面よりも体で覚える

プロの奏者を含む20人が出場した大会で、日本一の座を射止めた。「ミスも多く、優勝できると思っていなかったので、本当にびっくりしました」と振り返る。

民謡好きの祖父母と6歳上の姉の影響で、5歳で三味線を弾き始めた。現在は「三絃小田島流仙台教室」に通い、師匠の小田島徳旺さんから月2回、一対一で手ほどきを受ける。それ以外の日は毎日2時間以上の自主練習を欠かさない。「1日休むだけで手の感覚が鈍ってしまうので、ほとんど休みません。自分は体で覚えるタイプ。譜面を見て覚えるのは今も苦手です」

小田島さんは「練習量の多さは、これまで指導した門下生の中で一番多いのでは」と話した。

高校生にも聞いてほしい

 

津軽三味線の音色は津軽の言葉そのものであり、なまっていることが大切」と小田島さんから教わった。 演奏する時は、常に津軽の雄大な風土を思い浮かべながら、三味線で「話しかけるように」弾くことを忘れない。「聞いた人に、少しでも津軽の雰囲気を感じてもらえたらうれしい」

優勝をきっかけに、8月の高校の文化祭では、生徒の前で腕前を披露することになった。「同世代の人たちにも聞いてほしいので、よい機会ですね」と意気込む。

すがい・まゆ 2009年「津軽三味線コンクール」小学生の部、11年同コンクール中学校の部で優勝。12年「津軽三味線日本一決定戦」A級女性の部優勝。