医療の進歩とともに日本は男女ともに世界トップクラスの長寿国となった。人々の健康な暮らしを守る医療の仕事に就きたいと考えている高校生は多いだろう。
(木和田志乃)

看護師ってどんな仕事?

看護師は主に医師の指示に基づいて、診察や治療の補助、入院患者の援助や看護、その家族の対応をする。具体的には血圧・体温などの測定、注射、点滴、採血や、食事や入浴など日常生活の手伝いをする。また担当の患者の記録を付けて医師や同僚の看護師に報告するなど多くの仕事がある。医療スタッフの中で患者に接する時間がもっとも長いため、責任もやりがいも大きい仕事だ。

小さな病院で働いた場合は、さまざまな診療科で幅広い知識と技術を身に付けることができ、大病院で働いた場合は、専門分野を極めることができる。キャリアを積むことで認定看護師や専門看護師へとステップアップする道もあり、看護師の活躍の場は広がっている。

看護師は病院や診療所の他、さまざまな場所で活躍している(図1)。下記(表1)で看護師の職場を簡単に紹介しよう。

 
 

看護師の待遇とやりがい

看護師として働くには、看護大学、看護専門学校といった看護師養成課程のある学校で3〜4年間学んだのち、看護師国家試験に合格し、看護師免許という国家資格を取得しなければならない。一度取った免許は一生涯にわたって有効だ。

2014年度の看護師の平均年収は約473万円。男女を含めた2014年度の全労働者の平均年収約415万円と比較して高い(図2)。他の職種と比べると景気による収入の変動も少ないと言える。また、看護師は慢性的に不足しているため、景気の悪い時でも常に求人募集があり、いったん離職しても復帰しやすい。病院内に保育施設を設けているところもあり、子育ての環境も整ってきた。

 

ただし、生命を預かる仕事であるため、強いストレスがある。また患者の最期を看取ることもあれば排せつ物の処理など決してきれいでない仕事もある。さらには夜間勤務もある。そのため、仕事の大変さと給与が見合わないと不満も多いという。

しかし、看護を担当していた患者が病気やけがを克服し健康を取り戻したとき、患者との間に信頼関係を築けたとき、医師をはじめ他の医療スタッフとうまく連携できたときなど、誰かの役に立てた、自分の成長を実感できたなど、やりがいを感じる場面が多いのも看護の仕事だ。待遇面への不満を上回る魅力があると言えそうだ。

求められる資質

看護師は、人の生命を預かるという責任の重さから必要とされる資質も多い。仕事量が多い上、夜勤があるなどの不規則な勤務に耐えられる体力、気力、そしてどんな状況でも的確に対応できる冷静さや判断力が不可欠だ。

老若男女さまざまな患者と接し、最近では、医師や薬剤師、理学療法士などと医療チームを組んで仕事をすることも多いため、どんな人ともコミュニケーションを取れる協調性も大切だ。さらには医療の高度化に合わせて知識や技術を学び続ける意欲も求められる。日々の努力が欠かせない仕事だ。

男性看護師も増えている。2014年現在、看護師として働いているのは1,086,779人。そのうち女性看護師は1,012,811人、男性看護師は73,968人と男性看護師の割合は6.8%にすぎないが、2004年の31,594人からは2倍以上に増えた(出典:平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況)。患者を移動したり体位を変えるといった重労働も多く、同性の看護師を望む男性患者も少なくない。男性看護師は今後ますます必要とされるだろう。