「ジャパネット杯 春の高校バレー 第72回全日本バレーボール高校選手権大会」が1月5日から東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開催される。大会を盛り上げるだろう男子の注目選手を紹介する。(田中夕子)

ハイレベルな戦術繰り広げる東山のエース・高橋藍

昨年の覇者、洛南(京都)が「最強のライバル」と注視し続けた存在。それが今年度の京都代表、東山だ。

インターハイ、春高など京都代表を決める決勝で常に対峙する両雄。優勝した洛南の選手たちが「全国大会よりも嫌だった」という春高予選で昨年は惜しくも涙を飲んだが、今季はその悔しさをバネに6年ぶりの春高出場を決めた。

中心になるのはエースの高橋藍(3年)と、セッターの中島健斗(3年)。高さ、パワー、テクニックに長けた高橋の攻撃力はさることながら、高橋一辺倒にならず、コートを立体的に使ったコンビバレーを展開するセッターの中島。ハイレベルな戦術遂行能力を持つ選手が揃い、日本一へ向けた準備は万全だ。

柳田歩輝 攻め続けるジャンプサーブが光る

その東山を退け、インターハイを制したのが松本国際(長野)。伝統のリードブロックを軸としたディフェンス力の高さに加え、攻撃の中心でありチームの精神的支柱となるのがエースの柳田歩輝(3年)。いかなる状況でも攻め続けるジャンプサーブと、美しく高いジャンプを生かしたスパイクで劣勢もチームを鼓舞する柳田が、松本国際が悲願の春高制覇を達成するか。磨き上げられた総合力の高さにも注目だ。

スーパーエース・水町泰杜 悔しさ乗り越えてどこまで行けるか

近年、高校生でもブロックとレシーブが連携したトータルディフェンスや、バックアタックも含めた多彩な攻撃展開、ジャンプサーブとジャンプフローターサーブなど戦術に長けたチームが少なくない。特にその筆頭とされるのが東京代表の駿台学園や、愛知代表の愛工大名電、昨年の春高で準優勝した大阪代表の清風だ。さらにインターハイで準優勝した東北、攻撃力の高さを誇る埼玉栄、東福岡など全国大会での豊富な経験を武器とする強豪校も虎視眈々と頂点を狙う。

そして、この世代において1年時からスーパーエースとして君臨し、牽引してきた水町泰杜を擁する鎮西(熊本)も、春高にかける思いは強い。1年時から「エースがすべて決める」という覚悟のもと、ほぼすべてのトスが水町に託される中、2枚、3枚とブロックが並ぶ状況でも打ち抜いてきた。

水町泰杜(2018年1月の春高バレー、中村博之撮影)

しかし、どれほど高い攻撃力やバレーセンスを擁していようと、1人で打ち抜き、勝ち抜けるほど全国は簡単な場所ではないというのを昨年の準決勝では思い知らされた。水町だけに頼るのではなく、いかに水町の負担を軽減させながら全員の力で勝利をつかみ取るか。セッターの前田澪(3年)、リベロの荒尾怜音(3年)が攻撃陣を盛り立て、要所は水町が決める。インターハイでは初戦で東山に敗れたが、悔しさも糧にした大エースが最後の春高でどんなパフォーマンスを見せるか。必見だ。