勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生が、大学受験突破のためにアドバイス。駿台予備学校の地理科講師の宇野仙先生に東京大学の地理を解くためのポイントについて答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.東大の地理対策のポイントは?

A.資料を分析する力を身につけ、ポイントを押さえた記述をするための対策を。

共通性・法則性を抽象化して捉え直す

東大の地理対策としては、「資料を分析する力」と「記述問題の解答を的確にまとめる力」を身につけておくことが重要だ。

「資料を分析する力」に関しては、出題される膨大な資料の中に示されている具体的な事象やデータから、共通性や法則性を見つけ、それを抽象化して捉え直すことが求められる。センター試験や共通テストで出題される内容をベースとしながら、統計集や資料集などで「他の国・他の地域ではどうなのか」を確認していくことで知識を増やしていくとよいだろう。

30字・60字・90字で記述する練習を

記述問題に関しては、短い字数の中でポイントを落とさずに書く練習をしておく必要がある。限られた時間の中で解答するには、素早く処理する力も求められる。対策としては、教科書で太字になっているような重要用語の説明を30字・60字・90字のそれぞれの長さでまとめる練習をしておくとよいだろう。その用語を説明するにあたって絶対に外せないキーワードは何かを考え、与えられた文字数に応じて説明を肉付けしていくようにすると、ポイントを押さえた解答が書けるようになるはずだ。

テーマごとに重要なポイントを整理しよう

出題テーマに関しては、「自然地理」では因果関係を理解すること、「経済地理」ではヒト・モノ・カネの動きを押さえておくこと、「人文地理」では世界と日本を比較する視点を持つことが、それぞれ重要だといえる。日本に関しては、産業・人口・都市・今日的な課題などについて、教科書ベースでポイントを整理しておこう。

なお、過去問は、古い年度のものであっても解答する際の着眼点を身につける上で役に立つ。できるだけ多くの過去問を解き、「こういうテーマの問題はこういう視点で解く」という着眼点を磨くことを心掛けてほしい。

うの・たける

 

会社員を経て、教員免許取得後、現職。「地理で得た知識を旅先で思い出すこともあるでしょう。一生付き合える科目です」