香港で政府への大規模な抗議デモが続いている。参加者には中高生の姿も目立つ。逮捕されれば罪は免れないのに、何が若者たちを駆り立てるのだろうか。

自治が失われると反発

 

大規模デモのきっかけは、香港政府が犯罪人引き渡し協定を結んでいない中国本土などに香港から容疑者を移送できるようにする「逃亡犯条例」の改正案を提起したこと。「一国二制度」(メモ参照)下で保障された高度の自治が失われるとして反発した民主派住民は6月、参加者103万人に上る大規模デモを起こした。

香港政府は9月に改正案を撤回したが、民主派は普通選挙など「五大要求」を掲げて抗議行動を続け、収束の兆しは見えない。

学校は黙認も禁止も

高校生や中学生も抗議活動の一環として、新学期が始まるのに合わせて授業をボイコットし、学校周辺で「人間の輪」を作ったりビラを配ったりした。主催者によると、香港にある約500の中学・高校のうち200校以上で生徒の一部が授業をボイコットした。

参加した生徒らは「警察の暴力は許せない」「自由を守れ」などと口々に叫んだ。香港の大学研究者は、混乱の中で自殺者やけが人など「犠牲」が出たことが若者らの団結を強くしたと分析している。

10月1日の中国建国70年に合わせて行われた数万人規模のデモでは、警官が至近距離から実弾を発砲。男子高校生(18)の左胸に当たり、一時重体に陥った。

MEMO 一国二制度

社会主義国の中国に資本主義を併存させる制度。1997年に英国から中国に返還された香港、99年にポルトガルから返還されたマカオに適用している。中国が定めた「基本法」に基づき、言論の自由や高度な自治が返還後50年間保障される。