「楽しいな。跳びたいな」

地道な努力を重ね、復調傾向で迎えた今大会の目標は、「優勝は考えていなくて、まずは入賞。1メートル73は絶対に跳びたいと考えていた」。午前の予選から調子の良さを感じ、午後の決勝では「脚が少し疲れているかなと思いましたが、跳んでいくうちに『楽しいな。早く跳びたいな』という気持ちに変わっていった」という。

インターハイ陸上女子走り高跳びで優勝した蓑輪夢未

1メートル64から1メートル73までの4本をすべて1回でクリア。4人に絞られた優勝争いは、箕輪が2年以上も跳べていない1メートル76だったが、2度の失敗の後、3度目の挑戦で華麗にバーを越えた。「1、2本目が全然ダメで少し諦めかけていましたが、周りのみんなから『がんばれ!』という声が聞こえて、絶対に跳んでやるという気持ちで跳びました」

苦しい時期を乗り越えて手にした栄光を「素直にうれしい」と箕輪は話す。そして、「優勝を泣いて喜んでくれた」という吉田良一先生への思いが募り、自身もまた目に涙を浮かべた。