放送部などで活動する高校生が作品制作やアナウンスなどで日本一を目指す第66回NHK杯全国高校放送コンテスト(全国放送教育研究会連盟、NHK主催)の全国大会が7月23日から25日まで行われ、6部門の優勝者・優勝校が決まった。

表彰式にて。優勝した代表の生徒たち

コンテストはアナウンス、朗読、ラジオドキュメント、テレビドキュメント、創作テレビドラマ、創作ラジオドラマの6部門で実施された。都道府県大会には1585校1万4999人が参加し、勝ち抜いた531校が全国大会に進んだ。創作テレビドラマ部門では決勝で3校が競った。

優勝 三重・松阪高校「魅かれ惹かれて」

人との関係はうっとおしい?

テニス部でダブルスを組むパートナーに恋人ができて、浮かれている様子。「真剣にテニスをしてほしい」と思う主人公は、恋人同士、友人同士の間につながる糸をハサミできることができると知り、次々に切っていく。「人とのつながりなんてないほうが良い」と思う主人公。パートナーとの間で起こるある事件で主人公の気持ちが変わっていく様子を描いた。

代表生徒は「人と人とをつなぐ糸は、手が動くので編集するのが大変だった」と振り返った。決勝戦で壇上に上がった気持ちを「すがすがしい!!」と叫び、会場から大きな拍手が巻き上がった。

準優勝 千葉・市原中央高校「女尊男卑。」

力強い女子が怖い男子が立ち上がる

「落ちていた女子のプリントを机に入れようしたらセクハラ呼ばわり」「重いものを持てと命令される」「購買でパンを買おうとしたらレディーファーストと言って先に買われてしまう」…そんな状況を「女尊男卑」と不満を持つ男子生徒たち。だが、女子が怖くて何も言えない。ガツンと言おうと決意するが、果たして結果は。コメディタッチで描き、会場からは笑いがこぼれていた。

代表生徒は「実際に高校生活の中で女子が上、男子が下という状況を経験している。ドラマだけど半分ドキュメント」と話した。 

優秀 愛媛・新居浜西高校「イカスミパスタ」

障害を持つ妹の自立、どう見守る?

目が見えない妹ととても仲が良い主人公。妹は「いつか一人になる、お姉ちゃんに頼れない」と一人でイカスミパスタを作ろうと奮闘するが、主人公は「危ない」と応援することができない。イカスミパスタを通じて、姉妹愛を描いた作品だ。

代表生徒は「部員の中におなじように視覚障害を持つ妹がいる部員がいる。妹が自立する葛藤を描きたかった。イカスミを撮影した家庭科準備室に飛ばしてしまい1週間通って掃除した」と明かした。

創作テレビドラマ部門以外の結果は次の通り(「優秀」以上を掲載)

【アナウンス部門】
▽優勝 広瀬陽菜さん(千葉・検見川高校3年)
▽準優勝 吉井琴春さん(宮崎・宮崎第一高校3年)
▽優秀 山口文野さん(長崎・長崎南高校3年)、山口雄大君(長崎・大村高校2年)

【朗読部門】
▽優勝 才川陽妃さん(佐賀・佐賀清和高校3年)
▽準優勝 寳藏寺花映さん(長崎・長崎日本大学高校2年)
▽優秀 小林桃子さん(栃木・宇都宮女子高校3年)、重面佳純さん(宮崎・宮崎北高校3年)

【ラジオドキュメント部門】
▽優勝 兵庫・東播磨高校「ダイナミックルーキー」
▽準優勝 北海道・帯広三条高校「鈍色の朝」
▽優秀 北海道・札幌南高校「先生!水飲みたいです」、広島・呉三津田高校「八月六日の日記帳」

【テレビドキュメント部門】
▽優勝 長野・松本深志高校「最後のLHR」
▽準優勝 静岡・浜松北高校「(略)」
▽優秀 三重・青山高校「変わりたい。」、三重・高田高校「『宿題』を通して見えたもの」

【創作ラジオドラマ部門】
▽優勝 愛媛・新居浜西高校「溺れ…る。」
▽準優勝 千葉・柏南高校「だいじょうぶのおまじない」
▽優秀 和歌山・桐蔭高校「ミッドナイト・ハイウェイ」

※以下で放映予定
『ティーンズビデオ2019』
創作ドラマ部門…8月13日(火)9時半~10時15分(NHK Eテレ)
ドキュメント部門…8月14日(水)9時半~10時15分(NHK Eテレ)

『ティーンズラジオ2019』
8月26日(月)10時~11時(NHK-FM)