夏が舞台の小説 大阪・大阪青凌高校図書委員会

 

しおりや図書館に貼るポスターを作
ったり、ポップなどでオススメの本を
紹介したりしています。

 

 

 

夏と花火と私の死体
 乙一著(集英社文庫、420円)

 

◆死体の「わたし」が語る

ある夏の日の夕暮れ。9歳の私は、親友だった弥生ちゃんに殺された。私の死体は弥生ちゃんとそのお兄ちゃんの健くんによって隠される。そして、小学生の弥生ちゃんと健くんに、あらゆる危機が迫る。死体が「わたし」という一人称で語られているという、不思議で今までになかった感じや、子どもたちの繊細な心の描写により、読者に緊張感が伝わってくる。(阿江香菜子さん・2年)

 

あしながおじさん
 ジーン・ウェブスター著、岩本正恵訳(新潮文庫、520円)

 

◆親の愛情を知る夏

孤児の少女が、顔も分からないあしながおじさんに支援してもらい、大学へ行く話だ。私が一番好きなのは、主人公が友人の家に夏休みに遊びに行った場面。親を知らない孤児の主人公が手伝いの一環でヒツジの世話をしたり、料理を作ったり。そこで、友達の親に親切にしてもらい、親の愛情を感じることができ、普通に親がいる生活を知って、うれしい気持ちになる。(近藤晴子さん・1年)

 

学校の怪談
 岡崎弘明著(集英社文庫、400円)

 

◆夏といえば怪談

終業式の夜。取り壊しが決まった旧校舎に、先生と生徒たちが閉じ込められてしまう。旧校舎での恐ろしい怪談が現実となり、彼らを襲う。この話の中で登場する「恐ろしい怪談」は、どれも細かく作り込まれている。日常から非日常へと変わる描写は読んでいて、まさにそこに自分がいるように感じられた。(山口貴史君・2年)

 

 

リング
 鈴木光司著(角川ホラー文庫、600円)

 

◆ホラーが苦手でもOK

ただのホラー小説ではない。ただ怖いというわけではなく、ミステリーとしての面白さも内包している。怖さよりも面白さがまさってしまい、気づいたらページをめくっている。とても臆病な私でも、電車で移動した2時間ほどで全て読み切ってしまった。読みやすく、ホラーが苦手でも十分に楽しんで読める作品だ。描写力が高く、真実に迫っていく切迫感がある。(津三千奏君・1年)

 

鬼物語
 西尾維新著(講談社、1300円)

 

◆幽霊の少女のうそとは

2学期初日をサボってしまった直江津高校の阿良々木暦は、幽霊の少女・八九寺真宵と出会い、楽しい雑談の時間を過ごした。だが、阿良々木家に忘れられていたリュックサックを真宵に返そうとしたその瞬間、正体不明の「くらやみ」が現れた。私はこのシリーズを通して読んでいるが、この作品は特に印象的。不運だった少女のついた「うそへの罰」の大きさは、とても考えさせられた。(松田峻君・3年)

 

※価格はすべて税別