AO入試や推薦入試で合格する先輩は、どんな準備をしてきたんだろう。志望理由書にどのようなことを書けばよいのか、どのような人が合格するのか……。受験を控えた高校生の疑問に、AO入試や推薦入試に合格した大学生が答えた。

Aさん:慶應義塾大学総合政策学部。AO入試で進学。
Bさん:上智大学文学部。公募制推薦入試で進学。

志望大のオタクになれ

――推薦入試を考えているのですが、志望理由書が書けません。自分がやってきたことや学びたいことを大学にアピールしなければいけないのですが、実際どのように書いていったのですか?

A 自分が志望している大学・学部をよく調べました。ホームページや、学生が書いているブログも見ました。あと、志望大学に通っている先輩に連絡をとってお話を聞いたり、授業を聴講させてもらったりしました。

B 私はアドミッションポリシーをめっちゃ調べて、自分のやりたいことをそれに寄せて書きました。気になっている研究分野の教授にアポもとって会いにいきました。あと、オープンキャンパスの模擬講義の後に教授に話しかけたり、公開されているメールアドレスに連絡をしたり。

A 志望大学のオタクになるくらいでいいと思います。志望理由書は大学への一種のラブレターみたいなものだと私は思っていて。大学の先生は、熱意のある高校生には応えてくれると思います。

あと推薦入試は、情報戦みたいな側面もあると感じています。友達が面接で「〇〇先生の研究会(ゼミ)に入りたい」と言ったら、面接官の方に「〇〇先生は来年いないよ」と言われたことを聞きました。それは、その○○先生のホームページを見たら載っていたことで、リサーチ不足でもったいないと思いました。

AO入試塾の人の志望書はすごすぎ!?

――私もAO入試を考えています。志望理由書と調査書と校外活動を書かないといけないのですが、志望している学部の学問分野とどのようにつなげて書けばいいですか?

B 私も自己推薦書で自分の経験を書いたのですが、すべてが志望学科の学問分野につながるわけではなかったです。字数制限もあるので、書き足りない部分は、調査書で書いてください、と先生に頼みました。

――推薦やAO入試対策の塾に通っている人の志望理由書がすごすぎます。私は志望理由書に経験を書いても、そこで何を感じたかとかまでなかなか書けなくて…とりあえず大学に足を運ぼうと思っています。

B 私も同じ経験がありました。でも、すごいことや難しいことを書いている人ばかりが受かるわけではないです。

推薦書の用意は受験生の悩みの種

特別な経験してなくても大丈夫

――校外活動を重視するAO入試もありますよね。先生には、AOのために活動するのはよくないと言われているのですが……。

B 特別な経験をしていなくてもAOを受けて大丈夫です。そこから自分が学んだかが大事です。AOで合格した友人のなかには、生徒会の経験をなりたい職業につなげたという人や、本を100冊読んだという人もいます。部活動についてアピールした人も、賞じゃなくて、こういうポジションで頑張りましたとか。

――一般入試で入学した人と、推薦入試やAO入試で入学した人では、入学後の姿勢にどのような違いがありますか?

B 一般入試の人は、英語で上位のクラスに入っている印象があります。AO入試の人は、授業のリアクションペーパーを熱心に書いたり、やりたいことについてもたくさん話したりしていると思います。

A AO入試で入学した人は、面白い人がたくさんいる印象です。そのような人たちは、身近な日常のことにも面白さを見出して、それを大学で学びたいことにつなげています。推薦入試やAO入試の人に共通していることとして、大学に入ることをゴールにしていないことが挙げられるかなと思います。

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