生物を大学で学びたいけれど、農学部と理学部の生物学科でどんな違いがあるのだろう。東京大学農学部の堤伸浩教授と岩田忠久教授に違いを教えてもらった。(安永美穂)

Q.「農学部」と「理学部の生物学科」で学べる内容には、どのような違いがあるのでしょうか?

A.農学部では、基礎と応用の両方を研究することが可能。

 

学べる内容には大学・学科ごとに違いがあるため一概には言えませんが、一般的には理学部は「なぜそのような生態なのか」という観察・分析を重視し、農学部は「観察により分かったことをどのようにして人の生活に役立てるか」ということも重視する傾向があるといえるでしょう。

一般的に農学部の方が研究室の数が多く、扱っているテーマも多岐にわたるため、自分の興味のあることに取り組める研究室が見つかりやすいという面もあります。

また、農学部では生命科学に関する研究をベースにしながらも、地域レベル、さらには地球環境レベルで何ができるかという広い視野での研究に取り組むことも可能です。基礎研究に取り組むだけではなく、「自分の研究したことが世の中でどう役立つのかを知りたい」という思いがある人は、理学部だけではなく農学部で学べる内容についても調べてみるとよいでしょう。

(写真右)堤伸浩教授(東京大学大学院農学生命科学研究科長・農学部長)

つつみ・のぶひろ 生産・環境生物学専攻 植物分子遺伝学研究室教授。博士(農学)。専門は植物分子遺伝育種学。

(写真左)岩田忠久教授(東京大学大学院農学生命科学研究科教授・総長補佐・国際交流室長)

いわた・ただひさ 生物材料科学専攻 高分子材料学研究室教授。博士(農学)。専門は生分解性バイオプラスチック。