農学部は、農業のみを学ぶところ……そんな勘違いをしがちだ。東京大学農学部の堤伸浩学部長と岩田忠久教授に、農学部にまつわる「誤解」を解いてもらった。(安永美穂)

Q.農学部は日本の田舎で農業研究をするのがメインなの?

A.いいえ。世界とつながりが深い学問です。英語力が要ります。

 

農学はどの分野も世界とのつながりが深い学問です。研究によっては、海外にフィールドワークに行くことも多く、英語で現地の人とコミュニケーションをとることになります。高校生のうちから英語を使う練習をしておくとよいでしょう。研究室に所属する大学4年次ごろからは、英語の論文を読む・書くという機会もありますし、大学院に進めば学会で英語を使って発表することも珍しくありません。

ちなみに高校の生物や化学で学ぶことも基礎知識として必要になるので、しっかり勉強しておきましょう。大学の研究では正解がない問題をどう解決するかを考えていくことになるので、興味のあることについては「なぜそうなっているのか?」を自分の頭で考える習慣をつけておくことをおすすめします。

(写真右)堤伸浩教授(東京大学大学院農学生命科学研究科長・農学部長)

つつみ・のぶひろ 生産・環境生物学専攻 植物分子遺伝学研究室教授。博士(農学)。専門は植物分子遺伝育種学。

(写真左)岩田忠久教授(東京大学大学院農学生命科学研究科教授・総長補佐・国際交流室長)

いわた・ただひさ 生物材料科学専攻 高分子材料学研究室教授。博士(農学)。専門は生分解性バイオプラスチック。