全国高校総体の新体操男子団体で4度目の優勝を果たした井原

全国高校総体(インターハイ)新体操男子団体が8月11日に松江市総合体育館で行われ、井原(岡山)が18.700点で5年ぶり4度目の優勝に輝いた。(文・椎名桂子、写真・清水綾子)

男子団体は手具を使わず徒手演技で競う。今年は、出場した23校の大半がノーミス演技という近年まれに見るハイレベルな大会となった。特に上位校は、大学生も凌駕するような演技の連続だった。中でも、試技順8番の青森山田(青森)が一糸乱れぬ動きと強くシャープなタンブリングで18.400を出したときには、現在の採点基準では高校生で18点台はなかなか出ないため、「これは山田で決まりか」と思われた。ところがその数分後、10番の神埼清明高校(佐賀県)が爆発力のあるタンブリングと独創性のある構成で18.425と青森山田を抜き去る。

そして午後の2番目に井原(岡山)が登場。地元中国地方の観衆が見守る前で、長田京大監督が「あんな通しは初めて見た」と言う会心の1本を決めると、18.700という高得点が出た。井原の持ち味である柔軟性と美しい体操が見事に融合した演技で、2011年以来の優勝となった。

その後もすきのない実施力の恵庭南(北海道)18.400、リスキーな組み技と叙情的な動きでドラマチックな演技を見せた小林秀峰(宮崎県)18.325と、18点台が5校。今年の男子団体は、高校総体史上最高の激戦だった。