河野玄斗さんは、東京大学医学部の現役学生で、司法試験にも一発合格し、クイズ番組「頭脳王」で2連覇を果たしたカリスマ東大生だ。高校生にお勧めの勉強法を教えてもらった。

Q 成績を上げるには、授業をどう受ければよいですか?

A 単元の全体像を意識しながら受けてみて

授業を受けるときに大切なのは、「習っていることの全体像を把握しながら、どこが重要なのかというメリハリを意識すること」。自分一人で教科書を読むだけではポイントが分かりにくいこともありますが、授業中に先生が繰り返し説明したり、板書で強調したりすることに着目すれば、そこがその単元の要点だと分かります。「重要なポイントはどこか」を意識しながら授業を受けるには、次の3つを心がけましょう。

授業前の予習で教科書の目次にザッと目を通す

例えば、化学なら「物質の変化」という大きな単元の中に「物質量と化学反応式」「酸と塩基」「酸化還元反応」などの章があり、「酸と塩基」の章がさらに「酸・塩基の値数と強弱」「水素イオン濃度とpH」「中和反応」といった項目に分かれるというように、教科書の目次を見ると現在の授業がどの「階層」に位置づけられるのかが分かります。

「今日の授業は全体の階層の中のここの部分なんだな」ということをイメージできるようにしておくと、「枝葉」に当たる細かい用語などに気を取られず、その科目の「幹」に当たる重要な知識や考え方をおさえていけます。

その前に習った範囲でわからないことを復習

授業はそれまでに習ったことは理解しているという前提で進むため、分からないことをそのままにしていると、ついていけなくなってしまうことがあります。目次の章立てを見て、関連のある過去の単元でよく理解できていないことがあれば、前の学年や中学校の内容までさかのぼり復習しましょう。

授業中は先生の話を自分の言葉でまとめる

先生の話を何となく聞き流したり、何も考えずに板書をノートに書き写したりするだけでは、「どこが重要なのか」が頭に残りません。授業中は、先生の話を「要するにこういうことを言っている」と自分の言葉に置き換えてメモするようにしましょう。要点が整理でき、授業後はそのメモを見直すだけでスムーズに復習ができます。(構成・安永美穂)

 
こうの・げんと 
1996年、神奈川県生まれ。聖光学院高校卒業。東京大学医学部医学科6年生に在学中。著書に『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』(KADOKAWA、税抜1400円)。