英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は3月27日、国内の大学の「教育力」を測って順位づけする「THE世界大学ランキング日本版2019」を公表した。総合点で京都大が初めて単独1位になった。昨年、京大と並んで1位だった東京大は、今年は2位だった。

THE世界大学ランキング日本版2019の総合順位

3度目の発表、学生アンケートも初めて実施

世界大学ランキングで知られるTHEは2017年から日本版を始め、今回が3度目。教員あたりの学生数、留学する学生の比率、高校教員や企業の評判調査といった16項目から「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野の点数を出し、総合点を順位付けする。国内の4年制大学にデータ提供などを呼び掛け、参加を募った。今回初めて大学生へのアンケート調査も実施した。調査にはベネッセグループが協力している。

京大は企業や研究者の評判で順位上昇

今回の総合1位は、京大(総合点82.0)。17年は3位、18年は東大と同点で1位だったが、初の単独1位となった。京大は企業人事と研究者の評判調査に基づく「教育成果」の分野で昨年の2位から1位に順位を上げ、大学の資金力や教員の論文数や学生の学力などに基づく「教育リソース」で3位に入った(昨年は2位)。

東大は総合点81.9で初めて1位を逃した。「教育リソース」は昨年に続き1位だったが、「教育成果」は昨年の1位から2位になった。外国人学生・教員の比率や学生の留学比率などによる「国際性」で京大より6ポイント低かった。THEのダンカン・ロスさんは「京都大学と東京大学の差は0.1ポイント。ごくわずかだった」と話した。

公立大は国際教養大がトップ

3位は東北大学(昨年3位)、4位は九州大学(昨年5位)、5位は北海道大学(昨年6位)と名古屋大学(昨年7位)だった。10位に公立の国際教養大学(昨年12位)が入った。国際教養大は、学生に授業の充実度などを聞いたアンケート調査などに基づく「教育充実度」と、「国際性」の2分野で国立大を抑えて1位だった。

私立大は国際基督教大が早慶抑えてトップ

私立大学では、11位の国際基督教大学(昨年16位)が最も高い順位だった。続いて13位に早稲田大学(昨年11位)、14位に慶應義塾大学(昨年10位)、17位に上智大学(昨年15位)が入った。国際基督教大は「教育充実度」と「国際性」で2位に入った。(西健太郎)