大学入試センター試験は2020年1月の実施をもって廃止され、21年1月からは新たに「大学入学共通テスト」(新テスト)が始まる。大手予備校によると、19年1月19・20日に実施された2019年度センター試験でも新テストを意識した出題がみられたという。

大学入学共通テストでは、思考力・判断力・表現力の測定をより重視することを目指しており、教科で勉強した内容を生活や学習の中で利用する場面を想定した出題や、複数の資料を読み解く出題が増える見通しだ。

2019年度大学入試センター試験の日本史の問題(一部)

河合塾によると、19年度センター試験でも新テストで重視される内容を重視したと思われる出題がみられたという。具体的には、英語(筆記)で話し合いの発言内容をまとめる問題などより実践的なコミュニケーション能力を求める出題が続いている。また、日本史Bでは大学の歴史サークルに所属する先輩と後輩の会話を題材にした出題があった。物理では、透明な壁を挟んで2人が向かい合ったときの見え方など、実験・観察に関する出題があった。生物基礎でも、仮説を検証するために必要な実験を選ぶ問題や実験の結果に基づいて考察する問題の割合が増えているという。