高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。(安永美穂)

Q. 勉強する習慣が身につきません。どうすればよい?

A. 「何から始めるか」のルーティーンを決めよう。

 

やる気が出なくても始めることが重要

やる気は、急にスイッチがオンになるものではなく、「やり始めることで出てくる」ことが分かっています。そこで、勉強する習慣を身につけるには、やる気が出なくても、とにかく勉強を始めてみることが重要です。

帰宅後、リビングでひと息つくと勉強する気がなくなってしまう場合は、「家に帰ったら勉強机に直行する」と決めてもよいでしょう。参考書や筆記用具など、必要なものは全て机の上に出したままにしておけば、スムーズに勉強を始めやすくなります。

「何やろう?」と迷う時間をなくす

すぐに勉強を始めるためには、「何からやろうかな?」と迷う時間をなくす工夫も必要です。「机に向かったらまずは英単語集の音声教材を聴いて音読する」「参考書を10分読むことから始める」というように、自分なりのルーティーンを決めておくと迷わずにすみます。あるいは、得意科目をまず30分勉強し、勢いがついてきたところで苦手科目に取り組むのもよいでしょう。

自分の一番やりやすい方法で勉強を始め、やる気のスイッチが入れば、「次は問題集を解いてみよう」「別の科目もやろう」というように取り組めることがどんどん増えていくはずです。いろいろな方法を試してみて、その中から自分に合った「勉強の始め方」を見つけてくださいね。

船登惟希(ふなと・よしあき) 東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。