千葉・国府台女子学院高等部図書委員会のおススメ

わたしは13歳、学校に行けずに花嫁になる。 未来をうばわれる2億人の女の子たち
 プラン・ジャパン 久保田恭代、寺田聡子、奈良崎文乃著著(合同出版、1512円)

◆女の子への差別や偏見

題名を見て、がくぜんとした。差別への対策を世界中が考えている今日、一部の地域ではいまだに「伝統」という名ではびこっている女の子への差別がある。女の子として生まれただけで学校に行けずに家事や手伝いをしている子もいれば、私たちよりも幼いのに結婚している子もいる。この本を読み、女の子への差別のみではなく、全ての差別に対して関心を持ってほしい。(山﨑麗さん・1年)

 

オレンジだけが果物じゃない
 ジャネット・ウィンターソン著、岸本佐知子訳(白水社、1512円)

◆人生の選択をするときに

ジャネットは、狂信的なキリスト教徒の母親に育てられた。信教と母親が世界の全てだったが、自分が今まで生きてきた世界や与えられてきた価値観が全て正しいわけではないと気付く。自分の心を殺して今まで通り生きていくのか、自分の心に正直に生きるのか、選択を迫られたジャネットが選ぶ道とは? 人生においてとても大切な選択をしなければならない高校生にオススメしたい一冊。(ゆい・2年)

 

本屋さんのダイアナ
 柚木麻子著(新潮文庫、680円)

◆「呪い」を解く方法

あなたはどんな「呪い」にかかっているだろうか? 主人公の大穴(ダイアナ)は、名前や家庭環境にコンプレックスを感じ、自分自身に呪いをかけてしまっている。しかし、この本には魔法は出てこないし、王子様が迎えにもこない。ダイアナが自分で呪いを解かなくてはならない。今悩んでいる全ての女の子に読んでほしい。きっと呪いを解くヒントと勇気をもらうことができるだろう。(新田莉馨さん・2年)

 

精霊の守り人
 上橋菜穂子著(新潮文庫、637円)

◆強く、女性らしく

女用心棒のバルサは、第2皇子チャグムを託される。チャグムは、精霊の卵を宿したために父である帝から暗殺されそうになっていた。バルサはチャグムを守るために帝からの刺客や異界の魔物と戦う。用心棒として強く生き抜いてきたバルサだが、チャグムと過ごす日々の中で母心のようなものが生まれるなど、彼女の女性的な部分も描かれている。ただ強いだけの女性でないところが彼女の魅力だ。(石神実鈴さん・1年)

 

西の善き魔女Ⅰ セラフィールドの少女
 荻原規子著(中公文庫、700円)

◆意志が未来を切り開く

出生の秘密を持つ少女フィリエルの成長と冒険が描かれている。運命や人々の思惑に翻弄(ほんろう)されながらも、たくましく勇敢に戦い、自由にどこまでも愛を貫くフィリエル。自身の運命を理解し、才能と計略で戦い続けるアデイルとレアンドラ。読めば読むほど目が離せず、彼女たちを好きにならずにはいられない。守られるだけではない、女性たちの強さにあなたも魅了されるだろう。(丹野里香さん・1年)

 

どこよりも遠い場所にいる君へ
 阿部暁子著(集英社オレンジ文庫、648円)

◆思い合い、支え合い

ある理由で離島の采岐島高校に進学した月ヶ瀬和希。彼は島の入り江で1人の女の子が倒れているのを見つける。彼女の名前は七緒。しかし身元不明。くわしく話を聞くと、彼女にも秘密があるようで……。誰でも友人、家族に言えない悩みを持っていると思う。この本を読んで、互いに思い合い支え合うことの大切さを知ることができた。(田畑美奈さん・2年)

 

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet
 桜庭一樹著(角川文庫、518円)

◆生き抜くための「実弾」

中学を卒業したら自衛隊に入る。すべては早く大人になるため。早く一人前になって「実弾」を撃つ。ひそかにそんな思いを胸に抱いていたなぎさの前に現れた転校生、海野藻屑。彼女が撃つのは「実弾」、ではなくて「砂糖でできた弾丸」だった。今、私たちは戦っている。それは友達との不仲だったり、はたまた親からの圧力だったりする。大人からは見えない戦いかもしれないが、戦争で生き残らなければ私たちは「実弾」を撃つことはできないのだ。今を生きる学生たちに、大人と子供の中間で戦っている高校生たちに、ぜひこの本を読んでほしい。(海老沼まひろさん・2年)

 

月の影、影の海 十二国記
 小野不由美著(講談社X文庫、572円)

◆非現実の現実

突如、たったひとり放りこまれた異世界。襲いかかる妖魔。他人の顔色をうかがい生きてきた陽子のちっぽけな価値観が少しずつ崩れていく。だまされ、裏切られ、それでも人を信じたいと願う。リアルでは起こり得ない壮大なファンタジーだが、現実味を感じるストーリー。高校生の陽子が何度も傷つきながら、強く成長していく姿にきっと心打たれるだろう。人として生きるとはどういうことか。不思議な世界観のなか、陽子の背中を通して今の私たちに語りかけてくる。(ふせまりあ・2年)

 

※価格はすべて税込み