3分でスッキリ 高校生記者が行く! 千葉工業大学

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地震に負けない建築物を研究 高校生記者が行く 千葉工業大学<PR>


地震大国と言われる日本。今年6月には大阪で、9月には北海道で大きな地震が発生しました。地震が頻発すると、気になるのが建築物の安全性です。そこで、建築物の耐震性能を研究している千葉工業大学創造工学部建築学科の藤井賢志教授にお話を伺いました。

地震を知ることが耐震につながる

「地震に耐える建築物を作るためには、まず地震について知らなければなりません。同時に、建築物自体がどんな特性を持っているのかも知る必要があります。そこで、①地震動の破壊力を知る、②建築物がどのように揺れ、壊れるのかを把握する、③以上を踏まえて耐震性能の高い建築物を設計する、という3 つを研究の柱としています」と藤井先生は話す。

「この建築模型を使い、耐震実験を行います」と藤井先生。

地震が発生すると建築物にエネルギーが入ってくる。それが建築物を揺らしたり破壊したりするのだ。例えば、1995年に震度7を記録した兵庫県南部地震は、阪神・淡路大震災を引き起こし、家屋倒壊など甚大な被害をもたらした。「ところが、この時のエネルギーというのは、人間の中に入った場合に換算すると、せいぜい60センチの高さから飛び降りる程度なんです。私たちならケガをせずに降りられそうですよね。でも、地震エネルギーは建築物の重さに比例して大きく働くので、建築物は到底エネルギーを吸収できません。建築物はもろいもの。そう認識して耐震設計を考えることが大切です」

免震構造で地震の揺れを低減

建築物の倒壊を防ぐには、基礎を頑丈に作ればよさそうに思えるが、必ずしもそうではない。頑丈にした部分だけに力が集中し、逆に足元から倒れたりするからだ。「そこで、近年導入されているのが『免震構造』です。建築物が、地震の揺れの周期とずれて揺れることで地震エネルギーを吸収し、揺れを低減させるしくみです」

そう言って藤井先生が見せてくれたのが、建築物の模型の下にキャスターやバネを付け、台車に乗せた自作の実験装置。台車を押すと揺れ、つまり「地震」が生じる。すると、少し遅れて模型が左右に滑るように動き始める。だが、揺れが収まると元の位置に戻っていく。模型は無傷だ。「なるほど。建築物は揺れるけれど壊れない。これが免震構造の原理なんですね」と納得した様子の福元さん。実際の建築物では、金属板とゴムを交互に重ね、柱の足元に組み込むといった方法がとられている。

建築=設計図を書くと思われがちだが、構造力学という、建築物に重さや圧力がどう作用するかも並行して学んでいく。座学だけでは理解しにくいからと、藤井先生は実験を組み込み、学びが実際の設計とどうつながるかを伝えている。「実験では免震構造の原理を知るとともに、設計の際にどんな配慮が必要かも考えてほしいんです。例えば水道管を堅くて曲がらないものにしたら、建築物が動いた時に折れてしまいますよね」。4 年次には学生自身が高層建築物の模型を製作し、耐震実験を実施。建築物の揺れ方や壊れ方の特徴を知った上で卒業研究に取り組むそうだ。

「建築物や土木構造の設計は、多くの人々の命を左右する責任の重い仕事です。でも、その分社会への貢献度は計り知れないほど大きい。それを心にとめて建築物を作れる人を、育てていきたいと思います」

【取材を終えて】福元まりあさん(埼玉県・浦和ルーテル学院高等学校・3年)

 
 地震に対しての備えは大切だと分かってはいるものの、具体的な知識が足りていないことを痛感しました。例えば「耐震構造」と「免震構造」という言葉に聞き覚えはあっても、その違いとなると…。将来起こりうる地震の破壊力と、建築物の構造を正しく知ることで、地震に適切に備えることができるのだとわかりました。正しい知識を備えて、地震に対して万全の備えをしたいです。

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