スラリと伸びた手足が映える均整のとれた体つきは、178㌢という身長よりも彼を少し大きく見せる。豊浦(山口)の中村功平主将(3年)=山口・長成中出身=は、意表を突いたパスと的確なシュート力でチームをけん引。チームの9年ぶりの全国バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)出場と大会ベスト16進出に大きく貢献した。(文・写真 青木美帆)

得点力のあるポイントガードとして活躍した中村功平(青木美帆撮影)

――尽誠学園(香川)に59-68で敗れ、ベスト16敗退となりました。今日の試合を振り返ってもらえますか。
 自分たちのいつもどおりのプレーができなくて負けてしまったので、本当に悔いが残ります。尽誠学園とは去年、練習試合で対戦していて、そのときは自分たちが勝ちました。今回も絶対勝とうと思って試合に臨んだのですが、そのころからインサイドの選手たちがすごく伸びていました。尽誠のほうが日ごろの練習に対する意識が高かったのかもしれません。自分たちは追いつかれてしまっていました。

――第4ピリオドは残り3分、中村選手の3ポイントで3点差まで詰め寄りました。そこから同点、逆転にまで持って行けなかったのはなぜなのでしょうか。
 ディフェンスで前から仕掛けたことがうまくいった場面もありましたが、ダブルチームに寄り過ぎて、裏にパスを出されて点を取られることも多かったです。そういうところが原因だと思います。

――2回戦の京北戦(東京)と比べて、シュートよりパスを選択することが多かったのではないでしょうか。
 はい、前半はシュートを「打たされた」感じで、タフショットを何本か打ってしまって、シュートに自信が持てなくなってしまいました。最初からリズムよく打てていたら、試合を通してもっと得点にからめたのかなと思います。

広い視野を生かし、観客が声を挙げるようなパスを何本も出した(青木美帆撮影)

――ベスト16という結果はどうとらえていますか?
 みんなで「メインコートで試合をやるぞ」と話をしていたし、目標はベスト4だったので…悔いが残ります。

――どんな3年間でしたか?
 最初は先生に怒られることも多かったですが、そこでくじけずに、毎日きつい練習も盛り上げて、声を出して楽しくやって…なんとか3年間を終えることができました。