勉強法についての悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の古文科講師の上野一孝先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.和歌の読解のコツを教えてください。

A.掛詞など、和歌の持つ二重構造に注目しよう。

和歌では、例えば「ふる」という言葉に「雨が降る」と「年を経る」という二通りの意味を持たせるといった「掛詞」を用いるなどして、風景を詠むとともに心情を伝える二重構造になっていることが多い。この場合、一つひとつの言葉をただ順番に訳していくのではなく、二通りの意味を理解していく必要がある。

また、和歌は文章の中では、手紙のようにやり取りされる「贈答歌」であることが多いため、その場面の背景や歌を贈り合う人物の関係性を理解したうえで解釈することが重要だ。文字通りの意味の裏側に、相手への恋心やお願いごとなどが隠れているといった、和歌ならではのおもしろさを見つけよう。そして和歌の解釈に挑戦してもらいたい。

 

上野一孝先生(駿台予備学校 古文科講師)
うえの・いっこう 東京大学文学部国文科卒業。模試や教材の企画・執筆も担当している。俳人としても活動し、句集に『萬里』『李白』『迅速』など。