部活動や委員会、文化祭準備に体育祭。チームや組織をまとめる上での悩みについて、専門家の長尾彰さんにアドバイスを送ってもらった。(安永美穂)

 
長尾彰さん
ながお・あきら 組織開発ファシリテーターとして、企業、団体、教育、スポーツの現場などで、約20年にわたり3000回を超える「チームづくり」のサポートを行っている。
 

Q.後輩や同級生に注意したり何かを提案したりするとき、「こんなことを言ったら嫌われるのでは」と気になります。どうすればよいでしょうか?

A.「嫌われる」のではなく「考え方が違うだけ」だ。

「嫌われる」のではなく、「考え方や価値観が違うだけ」と考えましょう。自分か相手のどちらかが悪いわけではなく、お互いに正しいので、自分の意見を無理に変える必要はありません。

注意したいのは、部活や委員会などの活動に打ち込むあまり、そのグループでの人間関係が全てにならないようにすること。部活の友達といつも一緒にいて、他の人とは交流がないというような状態だと、「部活の友達に嫌われたらどうしよう」という不安が大きくなってしまいます。

この不安を解消するのに効果的なのは、校内・校外のさまざまなグループの人とつながりを持つようにすること。一つのグループの人間関係が気まずくなったとしても、別のグループの友達と普段通りに過ごすことができれば、嫌われることを気にしすぎずに済みます。「部活の人間関係は大事だけど、クラスの友達もいるし、他の学校や中学時代の友達もいるから大丈夫」と思えるように、いろいろな人とつながりを持つことを心掛けましょう。

 
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 宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。
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 人気漫画「宇宙兄弟」を題材として、リーダーシップの在り方や、チームで成果を出すために大切なことを解説。