10月に長崎で国体少年男子バスケット競技が開催された。単体チームでなく数校の混成チームで挑むことが多い国体バスケット競技は、インターハイ(全国高校総合体育大会)やウインターカップ(全国高校バスケットボール選抜優勝大会)未出場の好プレーヤーが多く躍動する。全国大会のレベルを肌で感じた6人に話を聞いた。(文・写真 青木美帆)

戸田晃輔(神奈川選抜#7 湘南3年)「夏に引退後も後輩と練習」

戸田晃輔選手(青木美帆撮影)

――昨年に引き続き出場した国体ですが、初戦敗退(香川県に79-86で敗北)となりました。
 展開が重くなったときに、センター以外の4人がアウトサイドでボールを見てしまっていました。こういう展開は予想できていたのに、練習中から意識できていませんでした。
 個人的には、普段決めているシュートや決めるべきシュートを外したことが悔やまれます。プレータイムが少なかったにしろ、その中で求められていた仕事ができていなかったことが反省点です。

――後半からは戸田選手が積極的にドライブでインサイドに切り込んでいったことで、オフェンスの流れがよくなったように感じました。
 僕を含めて、みんな単発なシュートばかりになっていたので、誰か1人が中に入らなきゃと思ったんです。「シュートが入らなくてもいいからファウルをもらわないと」と思ってプレーしました。

――6月のインターハイ予選で引退しました。その後国体に向けてどのように練習していましたか?
 うちの高校は9月の体育祭が名物で、1年かけて準備をするくらいの規模なんです。僕は応援団長だったこともあって、夏休み中も準備でほとんど練習できなかったんですが、空いた時間を見つけたり準備を抜けさせてもらって後輩の練習に参加していました。あとは一人でラントレーニングやシューティングをしていましたけど、それでも練習時間は引退前の半分くらいでした。

――大学でもバスケットを続けられるそうですね。
 最初は考えていなかったんですが、去年国体メンバーに入って高いレベルでプレーしているうちに興味が出てきました。正直、僕は実力もスキルも伴っていないですけど、可能性があるんだったら頑張ってみようと思いました。実力はこれからつけていくしかないですが、大学ではもっと上を目指したいと本当に思っています。

――理想の選手像はありますか?
 ベンドラメ礼生さん(東海大3年)です。スチールの嗅覚(きゅうかく)とか、ここぞという場面で3ポイントもドライブも決められるところはすごいなと思います。僕もベンドラメさんのように1対1が強い選手になりたいです。(2014年10月18日取材)

(プロフィル)
戸田晃輔(とだ・こうすけ)
神奈川・湘南高校3年。茅ヶ崎市立梅田中出身。182㌢81㌔。チームでのポジションはポイントガード。国体ではフォワードとして起用された。昨年度は日本バスケットボール協会のU-18トップエンデバーにも選出されている。