勉強法についてのお悩みに、多くの受験生を合格へと導いてきた各教科の先生がアドバイス。駿台予備学校の人気漢文講師の三宅崇広先生に答えてもらった。(構成・安永美穂)

Q.文章内容が理解できません。


A.語順や句形をしっかり理解しよう

漢文の読解では、「文章全体」と「一つ一つの文」という2種類の視点から文章をとらえていくとよい。
 まず、文章全体の視点としては、その文章で筆者が伝えたいメインの話題は何かを把握するために、問題の最後の設問に着目しよう。例えば、最後に「主人公はなぜこのような行動をとったのか」という設問があれば、その行動がこの文章を読み解くうえでのポイントだと分かる。
 また、漢文には注がついていることが多く、全ての注にまとめて目を通すと、およそのストーリーが推測できる場合もある。はじめに設問と注に目を通し、「こういうことが書かれているのだろう」と予測してから文章を読み始めると、内容がつかみやすくなるはずだ。

句形や語順、音読で理解を

一つ一つの文を読んでいくステップでは、漢文の語順や句形のルールに従って正しい読み方をしたうえで、文脈を理解することが重要だ。
 漢文は、日本語との語順の違いや句形のルールを理解しておけば、初めて見る白文でもパズルを解くように書き下せるようになる。例えば、返り点を必要とする語順は、「①返読文字がある場合」と「②動詞の後に、ヲ・ニ・トなどがついて目的語や補語になる名詞がくる場合」の2パターンしかない。このルールを理解していれば、白文が出題された場合でも、①か②に該当する箇所を探すことで返り点がどこにつくかが分かり、意味を読み取れるようになる。
 語順や句形はやみくもに覚えようとしても頭に残りにくいので、実際に文章を読む中で「この部分はこのルールに従ってこう読む」ということを確認していくとよい。声に出して耳で確認するとより意識に残りやすくなるので、音読も習慣にするとよいだろう。

入試問題の文章は面白い

入試で出題される漢文は、教科書に載っているものよりも短めの文章の中に起承転結があり、話として面白いものも多い。1カ月に1~2題のペースで入試問題にもふれてみると、「こんな話もあるのか」と漢文に興味がわくきっかけになるはずだ。

 

 

 
三宅崇広先生(駿台予備学校 漢文科講師)
 みやけ・たかひろ 論理的で明快な授業は、受験生は言うに及ばず、教育研究セミナーに参加した高校の先生からも高評価。各種教材・模試・解答速報(青本)の執筆でも活躍している。