インターハイのバレーボールで、活躍が期待される注目チーム・選手を紹介する。(田中夕子)

春高制した鎮西のエース 水町をVリーガーも絶賛

今年の全日本高校選手権(春高バレー)を制した鎮西(熊本)のエース、水町泰杜(2年)。長きに渡り、全国の強豪として名をはせる同校で、史上初めて2年生で主将に就任した。畑野久雄監督が「それだけの力を持った選手」というように、4~5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会では格上のVリーグや大学チームに対しても真っ向勝負。対戦したVリーガーから「2年生と思えない力とうまさがある」と絶賛された。前衛からのスパイクや後衛からのバックアタックといった攻撃力はもちろん、劣勢からチャンスをつくるゲームコントロール能力もずばぬけている。ユース代表でも主将を務めるスーパーエースだ。

春高バレーでは鎮西に敗れ、惜しくも準優勝に終わった洛南(京都)。府予選では、ライバルの東山との熱戦を制し、インターハイ出場を決めた。春高バレーでも活躍した大塚達宣、垂水優芽(ともに3年)の二枚看板が攻撃の軸。多彩なコンビバレーを武器に、相手を圧倒するスタイルは今季も健在だ。2人とも高い打点が持ち味で、相手を見ながら翻弄(※ルビ※ほんろう)するテクニックもある。セッターの山本龍(3年)は、高い位置でボールをさばけるのが特徴。アタッカーの打点の高さを生かし、多彩な攻撃を展開する洛南バレーの司令塔だ。高校生活最後の夏、どんなバレーを展開するのか期待は高まるばかりだ。

両校のほか、星城、愛工大名電(ともに愛知)、駿台学園(東京)、西原(沖縄)、高川学園(山口)など虎視眈々(たんたん)と優勝を狙うチームがそろう中、注目は大塚(大阪)。エースの荒井大雄(3年)は中学時代に全国制覇を成し遂げ、高校入学後も1年時からレギュラーとして活躍。サーブレシーブの要で、相手ブロックを利用した巧みな攻撃に定評があり、勝負勘も抜群。同校は「サーカスバレー」ともいわれる精度の高いコンビバレーで全国制覇を狙う。

鎮西の2年生主将、水町泰杜(写真1月の春高バレー、中村博之撮影)