指摘して互いに高め合えるのが白百合学園の強み

白百合学園高校(東京)囲碁部は、昨年度の全国高校選手権(7月)と全国高校選抜(3月)を制し、女子団体戦2冠を達成した。

初優勝した全国選抜では、主将が奥真珠さん(2年)、副将が濱田朋子さん(3年)、三将が道垣内理穂さん(2年)で臨んだ。「主将や副将はどの学校も強い人ばかり。だから私は絶対に落としちゃいけないと思った」と道垣内さん。優勝が懸かった最終戦は1勝1敗となり、決着が委ねられた奥さんは序盤から劣勢だった。しかし、「諦めて『負けました』と言ったら、他のみんなにプレッシャーをかけてしまう。とにかく粘ってチャンスを待ちました」と食らいつき、鮮やかな逆転勝ち。チームワークでつかみ取った栄冠だった。

気軽に指摘し合う

道垣内さんは囲碁の魅力を「レベルが段や級ではっきりして、自分が強くなったかどうかが目に見えて分かるところ」と話す。中高一貫校なので中学生部員もいるが、合わせて9人と少ない。「だからこそ部員同士のコミュニケーションが密に取れ、対局後は気軽に指摘し合える雰囲気があります」(道垣内さん)

真剣に話し合う

中学までに全国大会出場経験がある部員はほとんどいない。それでも団体戦で全国有数のレベルを誇るのは「3人の実力がそろっているから」と奥さんは考える。「団体戦は1人だけ強くても勝てない。普段から部のみんなで対局をすることで、レベルが下の人でもだんだん上の人に近づいていけるのだと思います」 (文・写真 小野哲史)

将棋部のメンバーたち