2018年度の国公立大学の入試結果の分析を駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長に聞いた。来年度入試を受ける高校3年生はもちろん、1・2年生も最新情報をおさえておこう。 (西健太郎)

国公立大の一般選抜の志願者は46万5708人で、前年より5078人(約1%)減り、7年連続の減少となった。国立大が5913人減った一方で、公立大は大学新設もあり835人増えた。日程別では、前期日程が1060人減り、志願倍率は3.2倍。後期日程が5985人減り、志願倍率は9.7倍だった。

駿台教育研究所によると、国公立大の志願者が減っている主な要因は、①後期日程を廃止・縮小する大学が増えている②推薦入試・AO入試の拡大により、一般選抜を経ずに国公立大を志願する人が増えている③文系選択者が増えているため、理系の割合が多い国公立大の志願者が減っている―ことなどがあるという。

国公立大の中で志願者が最も多かったのは3年連続で千葉大学(1万756人)。神戸大学(9980人)、北海道大学(9849人)が続く。

東北大が国の指定受け注目

 

駿台がまとめた難関国立10大学志願状況をみると、難関大は志願者が7年ぶりに増えた。中でも東北大学が前年より志願者を増やしているのが目立つ。東北大の人気の理由の一つとして石原さんは「昨年、国から(世界最高水準の大学を目指す)指定国立大学に東大、京大と共に選ばれたこと」を挙げる。北関東の志願者にも人気という。

大阪大は6%増やした。17年度入試から後期日程を廃止した一方で、新たに導入した推薦・AO入試「世界適塾入試」の出願要件が厳しく、この欠員を前期日程の募集人数に加えたことで実質倍率がダウンしたので志願者を集めたと考えられるという。

国公立大で推薦・AO入試が増えつつあることに受験生はどう対応すればよいか。石原さんは「国公立大の推薦・AOは学力を重視しており、(一般入試の対策と同様の)受験勉強をすることが前提です。加えて、第一志望校を早い段階で決めることです。高校1年生からオープンキャンパスに参加するなどして、行きたい大学・学部を探してください」と助言する。