第90回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟等主催、3月23日~4月4日)は例年より4校多い、36校が選出された。関東・中部地区の注目選手をピックアップした。(手束仁)

大谷拓海(千葉・中央学院2年)

投打の二刀流で大活躍したのは、今季メジャーへ進んだ日本ハムの大谷翔平と同姓ということでも話題になった大谷拓海(千葉・中央学院・2年)だった。県大会から4番エースとして投打にチームを引っ張って、関東の頂点まで上り詰めた。学校としても悲願の甲子園初出場となった。関東大会では、バットはいささか湿り気味だったものの、初戦では夏の覇者花咲徳栄を抑え、正念場の準々決勝では霞ケ浦を1失点に抑えた。その後の明治神宮大会では準々決勝の明徳義塾戦で特大の2ランを放って全国の舞台で打撃力も披露した。通算23号だった。

大谷拓海(千葉・中央学院2年)、写真提供=インターネットサイト「すべては夏のために」

日置航(東京・日大三2年)

東京大会を制したのは名門日大三だった。前年のチームに比べるとややスケールが小さいと言われ続けていた中で、主将の日置航(2年)の力がチーム力を上げていった。自らが率先して苦しい練習も引っ張っていくというリーダーシップを発揮してチームをまとめていくというタイプだ。3番打者としては大会通算26打数14安打7打点と打ちまくって、さすが日大三の主将と評価された。守っても、遊撃手として広い守備範囲と捕ってから送球までの速さといい高校生離れしたものがある。

日置航(東京・日大三2年)、写真提供=インターネットサイト「すべては夏のために」

上田優弥(石川・日本航空石川2年)

スケールの大きなチームの中でも、ひときわ目立つ存在となっていたのが上田優弥(石川・日本航空石川・2年)だった。チームも初めて秋季北信越大会を制して明治神宮大会にも初出場。185センチ97キロというサイズは大柄な選手が目立つ昨今の高校野球の中でも目立つ存在だった。県大会では3本塁打を放ち、北信越大会でも一発こそ出なかったものの15打数7安打6打点という数字は、チャンスに強いことも示して注目された。外野手の頭上を破っていく打球だけではなく、力に頼ることなく球に逆らわない器用な左打者としての評価も得ている。

石川昂也(愛知・東邦1年)

入学当初から注目を浴びていた石川昂也(愛知・東邦・1年)が、ついにこの春甲子園で全国にデビューすることになる。「スーパー1年生」と地元ではもてはやされて入学早々から名門のベンチ入りを果たしていたが、大会ではもう一つ結果を出せないままでいた。しかし、秋季県大会ではここぞというところで打てる勝負強さを見せ、東海大会では準決勝の三重戦で右中間スタンドに強烈な逆転2ランを放ち逸材ぶりを示した。一冬越えた甲子園でのさらなる活躍が期待される。