大阪・清教学園高校の原和奏さん(1年)は、オーボエのプロを目指し、月2回個人レッスンに通っている。現在普通科高校に通い、自宅に防音室がないため、自由に音を出せないものの、「環境のせいで夢を諦めたくない」という原さん。練習の大変さや、勉強方法について聞いた。

原和奏さん(大阪・清教学園高校1年)は中学生のころ、吹奏楽部で出合ったオーボエに魅了され、現在オーボエのプロを目指している。高校の吹奏楽部はマーチング練習でオーボエが吹けないため入部せず、月2回の個人レッスンに通い、練習を続けている。

プロを目指す人は自宅に防音室があったり、音楽高校に通ったりするなど整った環境で練習するが、原さんの家はマンションで防音室はなく、自由に音が出せない。高校も普通科だ。「でも、環境のせいで夢を諦めたくない」。その思いで、毎日音が出せる一軒家の祖母の家に通っている。

友人と切磋琢磨(せっさたくま)

自宅では腹筋などの体づくり、CDやDVDを参考にした表現力の研究をする。1年前からプロは皆行うというリード作りにも挑戦。「微妙な加減で材料を削ったり、やすりをかけたり、地道で根気が必要な作業です」

進学校のため、勉強との両立が大変だ。疑問はその日のうちに解決し、友人と切磋琢磨(せっさたくま)して宿題や予習は休み時間に済ませている。「追試や課題を出さなかったら、オーボエを練習する時間が減ってしまう」と思い、頑張れている。「夢を持つことで、勉強など音楽以外も頑張ろうと思えるようになりました」

原さんにこれまでを振り返ってもらいました

友達の姿が音楽にも影響する

――オーボエとの出会いは?

「吹奏楽部の強豪校に入りたい」という思いで清教学園の付属中学に入学しました。最初はアルトサックスを志望していたのですが、初めて聞いたオーボエの音色に、何か運命的なものを感じました。哀愁漂うオーボエの音色に心を奪われ、今ではオーボエで人に何かを伝え続けたいと思うようになりました。

――どうして音楽の専門高校に行かなかったの?

理由は2つあります。1つは、清教学園には素晴らしい先生方や、友人がいたからです。勉強以外の悩みも親身になって聞いてくださる先生や、コンクールに足を運んでくれる先生など、本当にいい先生ばかりです。

もう1つは、音楽だけをやっていては価値観が偏ってしまうと思ったからです。音楽だけでなく、違うことに夢中になっている友達、とても勉強を頑張っている友達、周りからのさまざまな刺激が、音楽に影響していると思います。

――どうして吹奏楽部を続けずに、個人レッスンで頑張ろうと思ったの?

高校の吹奏楽部ではマーチングにも力を入れていて、マーチングではダブルリードのオーボエなどは参加できないので、パーカッションなどのパートに属すことになります。それがいやというわけではなく、やってみたい気持ちもありました。しかし、あえて一人で頑張る決意をしたのは、精神力が一人だとより鍛えられるからです。

自分好みのリードを作りたい

――今はどのように練習しているの?

オーボエの個人レッスンでは月2回、ソルフェージュも月2回程度です。自宅はマンションで音が出せないので、放課後は一軒家の祖母の家で毎日練習しています。

――音が出せないときには何をしているの?

腹筋や、リード作り、CDやDVDの研究をしています。

リード作りは約1年前から挑戦しています。プロはみんな自分で作っていると聞き、挑戦し始めました。上手に作れるようになると、自分に合った好みのリードができるようになるそうなので、早くうまくなりたいです。

リードを制作する原さん

プロによるCDやDVD研究では音や技術はもちろん、体の使い方や響き、ブレスやアンブシュア(楽器を吹くときの口の形およびその機能のこと)など「魅せる演奏」を目指し、日々学んでいます。

原さん手作りのリード

宿題や予習は休み時間に終わらす

――どうやって勉強と両立しているの?

一番は大切にしていることは、授業を集中して聞くことです。ノートは板書以外に、先生が話すこともメモするようにしています。疑問点があったらその日のうちに解決し、宿題や予習などを、休み時間にできるだけ終わらすようにしています。クラスの中にも、友達も部活動との両立をしている子が何人もいて、切磋琢磨しながら音楽と勉強との両立を目指しています。

原さんの世界史のノート
原さんの数学のノート

 

――今の目標は?

一番近い目標はソロコンテストで結果を残すことです。また、高校2年では国際コンクールなどにも挑戦しようと思っているので、楽しんだ上で結果を残して、もっと自分の音楽を色んな人に聞いてほしいです。

勉強も頑張ろうと思えるように

――将来の夢は?

人の心に届く音楽ができるオーボエプレーヤーになりたいです。自分が楽しむのはもちろん、聞いている人が何かを感じる、そんな音楽ができるプレーヤーになりたいです。

――夢を持つようになって自身で変わったことは?

オーボエプレーヤーになるという夢を持つことで、勉強など音楽以外も頑張ろうと思えるようになりました。追試になってしまったら、課題を出さなかったら、オーボエを練習する時間が減ってしまうと思い、頑張ることができています。

もちろん、夢を持つことでかかるプレッシャーや、諦めなければならないことはあります。でも私は、その夢を持っていなかったら出会えなかった人や、さまざまなことに全力を注ぐ仲間、良いライバルに出会えました。また、挑戦することで、自分に自信を持つきっかけになります。

夢を持つことで制限されることは多いですが、夢を持たないと知り合えない人や、知ることのできない世界があります。ぜひ、興味があることを突き詰め、それに挑戦し続けてほしいです。そして後悔しない高校生活を送って行きたいと思います。

相棒のオーボエ