学校の階段でザック背負って上り下り 土日は山へ

――練習はどのように行われていますか?

安藤 平日は朝練と放課後に練習して、土日は奥多摩などの山へ実際に登りに行きます。学校では男子なら15キロ、女子だと10キロのザックを背負って、4階建ての校舎の階段を上り降りする「ザック練」やランニングをします。

丸山 入部した当初は山を普通に楽しむ感じなのかな? と思っていたんですけど、競技でやるとなると、これだけ練習するんだとびっくりしました。競技面では体力面だけでなくさまざまな要素が必要とされます。先ほどお話した天気図の練習、調理の練習や、気象知識などが問われる筆記試験の対策もやっているんです。

イモトアヤコさんに憧れて

――そもそもですが、お2人はなぜ山岳部に入ったんですか?

丸山 中学校の頃から『世界の果てまでイッテQ!』をよく見ていて、イモトアヤコさんが山を登っている姿がかっこいいなと感じていました。すると、この学校に入って山岳部があることを知って入ってみようと思いました。

安藤 親や祖父母が山登りが好きだったこともあって山岳に興味がありましたし、実際に東北地方で山登りに行っていました。この学校がインターハイに出ているというのと聞いていたので、僕も競技者として出たかったというのが理由でしたね。

山の気候の変化は怖い

――登山をしていて大変だと思ったことはありましたか?

丸山 去年の夏に槍ヶ岳に登ったんですが、本当に厳しかったです。距離もすごく長くて、とにかく斜面が急なので、何かで身体を固定されているわけでないので、手足を頼りに登るときには「こんなこと、高校生でやるんだ……!」と驚きながら登っていきました。

安藤 僕の場合は気候が一気に変わって、気温が低下して寒くなった時ですね。怖いなと思います。夏でも標高が高くなれば山は寒くなるので。

丸山 夏山に登る際には朝3時起きで出発することがあって、その時間帯はまだまだ寒いですね。特に雨が降るともっと気温が下がります。

安藤 全員が無事に下山できることが重要なので、「安全登山」をモットーに臨んでいます。

雄大な山々 非日常な景色に感動

――最後に、山岳部の活動で楽しいことや魅力を教えてください。

丸山 同世代のみんなと山に行って、一緒に歩いたり寝食をともにしたりすることで、仲の良さが深まることです。何より、山頂にたどり着いた時のやりがいが何にも代えられない嬉しさですよね。

安藤 雄大な景色を見られますからね。競技の時は少し景色の方には目を向けられないんですけど、非日常を見に行っても過言ではないと思います。その2つが大きな魅力なんです。

千葉東山岳部の部員たち。昨秋には瑞牆山に登った(学校提供)
【TEAM DATA】
今年のインターハイでは男子が準優勝、女子が5位入賞を果たした。練習場所は校舎以外にも近隣の公園を使用し、週末は奥多摩などで実際に登山練習を実施する。