後藤さん(中央)と学校でいつも一緒にいた仲の良い4人の友達(学校提供)

 「人と違った経験をして、自分の将来につなげたい」と思い、2016年に千種高校に入学し、その年の8月中旬から17年6月末までの10カ月間、メキシコのチワワに留学しました。メキシコの高校生と同じ一般の公立高校に通いました。

授業 時間通り始まらず

高校は、ホームステイ先から徒歩5分の所にあり、毎日歩いて通っていました。メキシコでは、時間通りに授業が始まらないのが当たり前。生徒や先生が遅れてくるのは日常的なことでした。これは私が感じた、日本との最も大きな違いでした。

仲が良かった4人の女の子たちは、スペイン語やメキシコの文化、現地ではやっているものなど、たくさんのことを私に教えてくれました。学校以外でも一緒に映画を見に行ったり、グループで取り組む宿題のために集まったりしました。彼女たちとは今でも連絡を取り合っています。

「自分から話したい」

留学前、私はスペイン語で「こんにちは」「ありがとう」など、ちょっとしたあいさつしか言えませんでした。

現地の人が話すスペイン語はスピードが速く、なまりもあったので、最初は聞き取ることが難しかったです。言葉が通じなくて苦しい時もありましたが、それ以上に「自分から話したい、会話の輪に入りたい」と強く思い、話す努力・聞く努力をしました。

どうやって発音しているのかと、話している人の口や舌の形を見たり、全身を使って自分の思いを伝えようとしたりしました。そのおかげで、今では本当のメキシコ人みたいに話すことができるようになりました。

第二の家族ができた

ホスト家族は、ママ、おばあちゃん、叔父さん、お姉ちゃん、そして2匹の猫と1匹の犬です。おばあちゃんからメキシコ料理の作り方を教えてもらったり、音楽好きの叔父さんからギターを教えてもらったりしました。

ルームシェアをしていた3カ月年上のお姉ちゃんとは、宿題やスペイン語、友達のことなど、いろいろな話をすることができました。そしてママは、私のことを本当の娘のようにかわいがってくれ、いつも時間を忘れるくらいたくさん話しました。帰国する時に「いつでも帰っておいで」と家の鍵を渡してくれたホスト家族は、私の一番の宝物です。

10カ月間の留学は、この体験記では書ききれないほどの素晴らしい経験になりました。将来、この私だけの経験を生かせるような場で活躍したいと思います。