報道各社で聞き方が違う

──新聞やテレビによって数値が異なるのはどうしてですか?

報道各社によって、聞き方が違うからです。例えば、内閣の支持・不支持を答えなかった人に対して「どちらかというと支持しますか、支持しませんか?」と「重ね聞き」する報道機関もあります。

朝日新聞は重ね聞きをしていないので「答えない(無回答)」という人の割合が20%ほどいます。そのため、重ね聞きしている報道機関に比べて支持率・不支持率の数字は低く出ます。無回答が数%の報道機関は、重ね聞きしている場合があります。

他にも統計学的な誤差や調査日時の微妙な違いなどの要因が数値の違いに関係しています。ただ、数値そのものは違っていても、上がったり下がったりする動きは各社で一致しているはず。毎回の変化はどうなっているかを見ていただきたいです。

──高校生にメッセージをお願いします。

2016年の参院選で、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことを機に、世論調査の対象も18歳以上になりました。つまり、一部の高校生の方も対象になったので、もし電話がかかってきたらぜひ協力していただきたいです。

一部の高校生は調査対象

――インターネットで世論調査はできないのですか?

インターネットで回答される人は、年齢等が偏っています。参考に調査することはあるのですが、それを世論として報道できません。調査会社の登録モニターを使う方法がありますが、会社によって偏っている可能性もあるので、なかなか信用できません。インターネットでの世論調査については、まだまだ研究中です。

――世論調査を担当されているやりがいを教えてください。

例えば、加計学園の問題は、ニュースでは下火になりつつありますが、世論調査をすると「まだまだ十分には説明されていない」と答える人が多くいます。ニュースの表面には表れなくても、国民が1つの問題に対してどのように考えているかがよく分かるのです。

朝日新聞 川本俊三さん